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MSI P22 360レビュー、低騒音とディスプレイ搭載で普及価格帯

MSI MPG Coreliquid P22 360のレビュー。2.1型IPSディスプレイ搭載ながら税抜1.3万円未満、低騒音と高冷却性能を両立。Ryzen 9 9950X3Dでの実測値も。

6分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

MSI P22 360レビュー、低騒音とディスプレイ搭載で普及価格帯
Photo by Bin Jaleel Almanza on Unsplash

MSIが2026年6月に投入した新型オールインワン水冷ユニット「MPG Coreliquid P22 360」が、冷却性能と静音性、そしてディスプレイ搭載という特徴を備えながら、税抜129.99ドル(約2万円)という普及価格帯に収まっている。Tom’s Hardwareの詳細レビューによれば、最大負荷時の冷却能力と実用シナリオにおける騒音レベルのバランスが高く評価されている。

仕様と価格設定

本製品は360mmサイズのラジエーターを採用するAIO(All-In-One)水冷である。対応ソケットはAMD AM5/AM4、Intel LGA 1700/1851と広く、最新のRyzen 9 9950X3DやCore Ultraシリーズにも対応する。

特筆すべきは、CPUウォーターブロックに搭載された2.1型IPSディスプレイだ。解像度は540x540ピクセル、輝度300nitsと、この価格帯としては十分な仕様である。ディスプレイには最大500MBのカスタム画像や動画を表示でき、MSIの「EZ Display」ソフトウェアを通じて4種類のプリセット背景から選択可能だ。

カラーはブラックとホワイトの2色展開。ARGB照明も備えており、システム全体のライティングとの統合が容易である。保証期間はAIO本体とディスプレイに対して3年間が提供される。

冷却性能と騒音測定

Tom’s Hardwareのテストでは、AMDのRyzen 9 9950X3D(TDP 120W、最大ブースト時170W超)を搭載したシステムで冷却性能を検証している。ファン全速運転時には265W超、騒音を標準化した条件下でも255W超のTDPを処理可能であることが確認された。

一般的な負荷シナリオにおける騒音レベルは低く抑えられており、デスクトップ用途やクリエイティブワークにおいて、冷却ファンの動作音が気になることは少ないと評価されている。一方、フル負荷時にはファン回転数が上昇するものの、同等価格帯の競合製品と比較して騒音は抑制される傾向にある。

設置の容易さ

MSIは本製品の取り付け工程を簡略化するため、AMDとIntelの両プラットフォームに対応する単一フレーム方式を採用している。従来のAIOでは各ソケット専用のフレームを交換する必要があったが、この設計によりユーザーの負担が軽減されている。

ラジエーターサイズは幅119.2mm、長さ394mm、厚さ27.2mmで、360mmのラジエーター対応ケースであれば標準的な互換性を持つ。

ソフトウェア体験

ディスプレイのカスタマイズにはMSIが提供する「EZ Display」ソフトウェアが必要となる。機能面では必要な操作が網羅されており、背景画像の設定や動画のループ再生、複数画像の切り替え表示などが可能だ。

ただし、Tom’s Hardwareのレビューでは、プリセット画像の削除や無効化ができない点を欠点として指摘している。ソフトウェアの完成度には改善の余地があると評価されている。

競合との比較

価格帯129.99ドルで2.1型IPSディスプレイを標準装備するAIOは市場に多くない。同じ360mmサイズのディスプレイ搭載AIOは通常150〜200ドル程度であり、本製品は冷却性能と静音性を維持しながら価格を抑えている点が強みだ。

ただし、極限のオーバークロック用途や、水冷ループのカスタマイズを前提とするユーザーにとっては、この価格帯にはコスト削減のための妥協点が存在する可能性がある。Tom’s Hardwareの評価では、通常のデスクトップ用途からヘビーなマルチスレッドワークロードまで、ほとんどのシナリオで十分な冷却能力を発揮すると結論づけている。

編集部の見解

短期的には、MSI MPG Coreliquid P22 360はディスプレイ搭載AIOの価格帯を押し下げる効果を持つと考えられる。これまで200ドル前後が相場だった製品カテゴリに、130ドルで同程度の性能と機能を提供することで、競合各社の価格戦略や製品ラインナップに影響を与える可能性がある。特に、CPUクーラーのアップグレードを検討する自作PCユーザーにとって、選択肢が拡大するのは歓迎すべき動きだ。

長期的に見ると、冷却性能そのものよりも、ユーザーインターフェースとしてのディスプレイがAIOの標準装備となる流れを加速させるかもしれない。現在は温度や負荷率の表示が主用途だが、将来的にはシステム診断情報の可視化や、ケース内部の演出としての役割が拡大する可能性がある。ソフトウェア面の完成度は現時点では課題を残すものの、ハードウェアの低価格化が進めば、ソフトウェアの改良投資も促進されるだろう。

本製品の評価を左右するもう一つの要素は、3年間の保証期間が業界標準に対して十分かどうかという点だ。AIO水冷はポンプの経年劣化リスクを抱えるため、5年保証を提供する製品もある。価格を抑えるために保証を短縮したのか、それとも品質に自信があるのか——この判断はユーザーのリスク許容度に委ねられる。

参考

よくある質問

MSI MPG Coreliquid P22 360はどのCPUソケットに対応しているか
AMD AM5/AM4、Intel LGA 1700/1851に対応する。単一フレーム方式で両プラットフォームをカバーするため、取り付け時の部品交換が不要である。
ディスプレイに表示できる内容は何か
540x540ピクセルのIPSディスプレイに、温度や負荷率などのパフォーマンスメトリクスを表示できる。カスタム画像や500MBまでの動画も再生可能で、4種類のプリセット背景から選択できる。
このAIOの価格と保証期間は
MSRPは129.99ドル(約2万円)で、AIO本体とディスプレイに対して3年間の保証が付帯する。
出典: Tom's Hardware

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