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Chrome Manifest V2終了、uBlock Originなど広告ブロッカー終焉へ

Google ChromeがManifest V2拡張の最終的な回避策を削除。uBlock Originなどの従来型広告ブロッカーが使用不可能になる。Chrome 150で関連フラグを除去し、v151で残存機能も完全削除。

8分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

Chrome Manifest V2終了、uBlock Originなど広告ブロッカー終焉へ
Photo by Rubaitul Azad on Unsplash

Google Chromeの次期アップデートにより、Manifest V2ベースの拡張機能向けに残された最後の回避策が削除される。Slashdotや9to5Googleの報道によれば、これにより従来型の広告ブロッカー、特にuBlock Originは実質的に使用不可能となる見込みだ。

問われる拡張機能の互換性

CyberNewsが指摘したChromiumリポジトリへのコミットでは、「kExtensionManifestV2Disabled」フラグのサポートが削除されている。このコードはGoogleの開発者によって「デッドコード」と表現されており、ChromeがManifest V2拡張を正式にサポートしなくなったことを反映する。

このフラグは、Manifest V2ベースの拡張機能を引き続き使用するための実質的な抜け道として機能していた。しかし、同コミットにコメントを残したGoogleの開発者は次のように説明している。「MV2拡張はサポートされているすべてのバージョンのChromeで許可されなくなりました。複雑さと技術的負債、さらにはセキュリティリスクのため、この機能を無期限に提供・維持することはできません。実際、最近MV2に固有のバグをいくつも発見しています。もちろん、他のブラウザが望めば引き続きサポートを継続することは可能です」。

セキュリティと技術的負債の観点

GoogleがManifest V2の廃止を推進する理由として、公式にはセキュリティの向上が挙げられている。Manifest V3では拡張機能の権限が制限され、特にリモートでホストされたコードの実行が禁止される。これにより、悪意ある拡張機能がユーザーデータを横取りするリスクを低減できるというのが同社の主張だ。

しかし、批判者からは、この変更が広告ブロッカーを意図的に弱体化させるものだとの指摘が根強い。Manifest V3では、従来のManifest V2で可能だったネットワークリクエストのブロック方法が大幅に制限される。具体的には、 declarativeNetRequest APIを使用する必要があり、ルール数の上限も厳しく設定される。

Googleの開発者が述べるように、維持すべき「技術的負債」の存在は、Manifest V2のコードベースが長年にわたって蓄積した複雑さを示唆している。同社の説明では、この負債とセキュリティリスクが最終的な廃止の根拠である。

影響範囲とタイムライン

廃止の影響はGoogle Chromeだけにとどまらない。Neowinの報道によれば、Microsoft EdgeやOperaといった他のChromiumベースブラウザも同様の対応を取る可能性が高い。ただし、Googleの開発者がコメントで明記した通り、各ベンダーが独自にManifest V2サポートを継続する選択肢は残されている。

Chrome 150は今月後半にリリースされる予定で、このバージョンで関連フラグが削除される。残りのManifest V2のコードはChrome v151で完全に除去される見込みだ。ユーザーが現在利用しているuBlock OriginをはじめとするManifest V2拡張は、アップデート後に動作しなくなる。

代替として、uBlock Origin LiteなどのManifest V3ベースの広告ブロッカーが既に提供されている。しかし、これらの拡張機能はフィルタリング能力に制限があり、特に動的ルールの管理や複雑なフィルタリストの適用に制約がある。

ブラウザ市場の分断と選択肢

Manifest V2廃止により、ブラウザ市場におけるユーザーの選択肢が改めて注目されている。Mozilla FirefoxはManifest V3の一部を実装しつつも、広告ブロッカーの機能を維持する方針を示している。Braveブラウザも内蔵の広告ブロック機能を強化しており、Chromiumベースながら独自の拡張システムを維持している。

Google Chromeは世界のブラウザ市場で約65%のシェアを占める。Manifest V2廃止は、企業のIT管理者にとっても重要な課題となる。従業員のブラウザポリシーや企業ネットワークのセキュリティ管理に影響を与える可能性があるためだ。

一方で、Googleは自社のビジネスモデルがオンライン広告に大きく依存している。広告ブロッカーの制限が収益に貢献する側面は否めない。同社はプライバシー保護と広告効果の両立を掲げるPrivacy Sandbox構想を推進しているが、業界からの評価は分かれている。

編集部の見解

短期的には、Chrome 150のリリース後、uBlock Originを含む多数の拡張機能が利用不能になることで混乱が生じる可能性がある。特に、企業内でブラウザポリシーにより拡張機能を制限している環境では、管理者が代替手段を迅速に用意する必要がある。また、Microsoft EdgeやOperaが追随するかどうかは、各社のユーザーベースとポリシー判断に委ねられる。Operaが独自の内蔵広告ブロッカーを持っていることを考慮すると、即座に追随するかは不透明だ。

長期的に見れば、この変更はブラウザ市場における多様性の重要性を再認識させる契機となる。Googleの支配力が拡大する中で、FirefoxやBraveのような独立系ブラウザの存在意義が改めて評価される可能性がある。また、Web技術の標準化プロセスにおいて、単一ベンダーの商業的利益がどの程度ユーザーの選択肢に影響を与えるべきかという根本的な問いが浮上する。AdSenseやその他の広告収入に依存するWebサイト運営者にとっても、トラッキングとプライバシーのバランスを巡る議論は続く。

編集部としては、Manifest V3のセキュリティ向上という側面と、広告ブロック機能の制限という側面のどちらに重きを置くべきか、引き続き注視する必要がある。Googleが主張するほどManifest V3がセキュリティ向上に寄与しているという証拠は限定的であり、むしろ広告収益の保護が主目的ではないかという疑念が業界内でくすぶっている。ユーザーにとって理想的なブラウザの在り方とは何か、市場に選択肢が残されるべきかどうか、議論が求められる局面だ。

参考

よくある質問

uBlock Originは今後Chromeで使えなくなるのか
はい、Chrome 150以降で使用できなくなります。既にインストールされている場合も、アップデート後に機能しなくなります。代替としてuBlock Origin Lite(Manifest V3版)が利用可能ですが、フィルタリング能力に制限があります。
Manifest V2とV3の違いは何か
Manifest V3では拡張機能の権限が制限され、特にリモートコードの実行が禁止されます。広告ブロッカーは宣言型のネットワークルールでブロックを行う必要があり、動的なルール管理や複雑なフィルタが制約されます。
Chrome以外のブラウザでも影響はあるか
Microsoft EdgeやOperaなど、他のChromiumベースブラウザも追随する可能性があります。一方、FirefoxやBraveはManifest V2サポートを継続する方針を示しており、広告ブロッカーを使用したい場合はこれらのブラウザへの移行が現実的な選択肢です。
出典: Slashdot

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