Framework、LPCAMM2メモリを倍額値上げ 64GBで約2倍に
FrameworkがLaptop 13 Pro向けLPCAMM2メモリの価格を最大で約2倍に引き上げた。サプライヤーからのコストが予想を大幅に超えたためで、既存のプリオーダーにも影響が出ている。
Framework Computerは、モジュラー設計が特徴のノートPC「Framework Laptop 13 Pro」に搭載するLPCAMM2メモリモジュールの価格を大幅に引き上げた。同社の公式ブログでCEOのNirav Patelが発表した内容によれば、サプライヤーから提示された新価格が従来在庫の「2倍以上」に達したことが理由だ。ラップトップ本体やマザーボードについても、他の部品コスト上昇を反映した価格改定が行われる。
価格改定の詳細
Frameworkが設定した新価格は以下の通りだ。16GBモジュールは従来の$239のまま当面維持されるが、在庫が尽き次第値上げされる。32GBモジュールは従来$439から$800へ、64GBモジュールは$849から$1,600へと、それぞれ約1.8倍から1.9倍の値上げとなる。Tom’s HardwareのAndrew E. Freedmanの報道では、この価格変更は既存のプリオーダーにも影響を及ぼしている。
Patelはブログで、LPCAMM2サプライヤーからのコスト更新について「われわれが予測していたものをはるかに超え、吸収すれば事業運営に現実的な財務リスクが生じる」と説明した。同社は第2四半期から第3四半期にかけて、LPCAMM2コストが「低〜中二桁パーセント」上昇すると見込んでいたが、実際に提示された価格は「以前に調達した在庫の2倍以上」だったという。
LPCAMM2メモリが搭載されるのは、Intel Core Ultra Series 3プロセッサを採用したモデルに限定される。AMD Ryzen AI 300プロセッサを搭載するモデルは従来のSO-DIMM方式を採用しており、今回の値上げの影響は受けない。
既存プリオーダーへの対応
Frameworkは手持ちのLPCAMM2在庫で、一定のバッチまでのプリオーダーを元の価格で満たすとしている。具体的には、64GBモジュールの在庫はラップトップのBatch 4、マザーボードのBatch 7までのプリオーダーをカバーできる。それを超える64GB構成の注文については、注文内容を32GBモジュール(元の32GB価格)に変更して対応する。
同様に、残った32GBモジュールはDIY Editionおよびマザーボードのプリオーダーで32GB構成のものに割り当てられる。それ以降の注文は16GBモジュール(元の16GB価格)に変更される。Pre-built構成で元々32GBだった注文については、現在16GBのCore X7 Ultra構成が存在しないため、調整は行われず、後日16GB構成が導入される予定だ。
この対応により、既存顧客への価格転嫁は最小限に抑えられるが、新規注文や今後のバッチからは新価格が適用される。
コスト上昇の背景
PatelはLPCAMM2メモリの価格高騰以外にも、Intel Core X7およびX9チップのコスト上昇、Windowsライセンス費用の増加、その他部品の値上がりを挙げている。これらの要因が重なり、新規注文におけるラップトップ本体とマザーボードの価格も引き上げられることを余儀なくされた。
Frameworkはモジュール交換や部品のアップグレードが可能な設計を特徴としており、長期的な製品寿命を売りにしてきた。しかし、特定のコンポーネントに依存するメモリ規格の価格変動が、そのビジネスモデルに与える影響を浮き彫りにした形だ。LPCAMM2は比較的新しい規格であり、現時点での供給量や競合の少なさが今回の価格高騰の一因と見られる。
編集部の見解
今回の値上げは、Frameworkの事業モデルに構造的な課題を突きつけたと言える。LPCAMM2のような専用部品への依存度が高い製品では、単一サプライヤーによる価格支配力を回避する手段が限られる。今後3〜6カ月で、FrameworkがLPCAMM2の代替サプライヤー開拓や、SO-DIMMへの回帰などの戦略変更を迫られる可能性は高い。また、顧客からの信頼維持のために、価格改定の透明性をさらに高める必要があるだろう。 長期的な視点では、今回の事例はモジュラーPCの脆弱性を露呈した。Frameworkが差別化としてきた「修理・アップグレード容易性」は、部品の標準化が進んで初めて持続可能になる。LPCAMM2という規格自体が業界で広く採用されれば価格は安定するが、現状は黎明期であり、Frameworkは「初期採用者のリスク」を顧客に転嫁した格好だ。1〜3年のスパンで、同社が部品調達の多様化や在庫戦略の見直しを進めるかどうかが、中核的な競争力維持の分岐点となる。 編集部としては、Frameworkが今回の状況をどのように打開するかが注目される。
参考
- 「 Framework nearly doubles memory pricing for 32GB, 64GB Laptop 13 Pro overnight — CEO says absorbing LPCAMM2 supplier hikes would put ‘our ability to operate at real financial risk’ 」, by Andrew E. Freedman — Tom’s Hardware, 2026-07-22T20:50:46.000Z (ARR)
- 元記事URL: https://www.tomshardware.com/laptops/framework-nearly-doubles-memory-pricing-for-32gb-64gb-laptop-13-pro-overnight-ceo-says-absorbing-lpcamm2-supplier-hikes-would-put-our-ability-to-operate-at-real-financial-risk
よくある質問
- Framework Laptop 13 ProのLPCAMM2メモリ価格はなぜ上がったのか?
- Frameworkのサプライヤーから提示されたLPCAMM2モジュールの価格が、従来在庫の2倍以上に達したため。CEOのNirav Patelは、このコスト上昇を吸収すれば事業運営に現実的な財務リスクが生じると説明している。
- 既存のプリオーダーはどうなるのか?
- 手持ち在庫の範囲内で、優先的に元の価格で出荷される。64GB注文はBatch 4(ラップトップ)/ Batch 7(マザーボード)まで、それを超える場合は32GBに変更。32GB注文も同様に、在庫が尽きた後は16GBに変更される。
- 影響を受けるのはどのモデルか?
- LPCAMM2メモリを搭載するIntel Core Ultra Series 3版のLaptop 13 Proと、そのマザーボードが対象。AMD Ryzen AI 300搭載モデルはSO-DIMM方式のため、今回の値上げの直接的な影響は受けない。
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