Excel世界選手権、野外決戦で王者防衛 ランドマークバトル制す
Microsoft Excel世界選手権初のランドマークバトルが開催。王者ディアマンド・アーリーが屋外環境で勝利し、リモートワーク時代の競技の在り方を提示した。
Microsoft Excel世界選手権(MEWC)が、競技形式の新たな試みとして野外での一騎打ち「ランドマークバトル」を実施した。4名のトップ競技者が世界各地の名所に設定され、不安定なネットワーク環境や天候、さらには一般の通行人の視線にさらされながら課題を解決するという過酷な条件下で、王者ディアマンド・アーリー(Diarmuid Early)が優勝を果たした。
The RegisterのBrandon Vigliaroloの報道によれば、この一発勝負のコンテストはハードウェアメーカーASUSの協賛により実現した。競技者はニューヨークの自由の女神像(アーリー)、ロンドンのビッグベン(ジャック・ケネディ)、パリのエッフェル塔(ニコラ・ミコ)、シドニー港(アンドリュー・ガイ)という4つのランドマークの近くに設定され、ノートPCとワイヤレスセカンドスクリーンを用いて課題に挑んだ。
競技の概要
MEWCランドマークバトルは、ジュール・ヴェルヌの小説『八十日間世界一周』に着想を得た7つのパートからなるパズルで構成された。競技者はスプレッドシート上のキャラクターがフィリアス・フォッグの偉業を再現するための最速の旅行ルートを算出するという課題に取り組んだ。制限時間は30分間で、アーリーとガイがそれぞれ1060点と1020点を獲得し、アーリーが40点差で勝利した。
アーリーは自身の得意戦略である「コアファースト、ボーナスレイター」(コア課題を先に解き、その後でボーナス問題に取り組む)を駆使し、終盤での逆転勝利を収めた。この戦略は2025年にラスベガスで開催された世界選手権でも彼を勝利に導いた手法である。
機材と環境
ASUSは協賛企業として、各競技者にExpertBook UltraノートPCとワイヤレス接続可能なポータブルセカンドディスプレイを提供した。MEWCの主催者は、この競技形式を「多くの現代のプロフェッショナルがオフィスの機の前ではなく、クライアント先、空港、カフェ、コワーキングスペース、リモートロケーションで働く」リモートワークの実態に触発されたものと説明している。
競技環境の過酷さについて、主催者は「天候、不安定なインターネット接続、そして何よりも、自分たちが何をしているのかと尋ねてくるかもしれない一般公衆への対応」を競技者が強いられたと述べている。各競技者にはカメラマン1名だけが同行し、それ以外のサポートは一切なかった。
競技エクセルの普及と発展
MEWCは2021年に始まり、2022年にESPNで放送されたことで広く認知されるようになった。2022年の放送では、スプレッドシート上で動作するプラットフォーマーゲーム「Modelario」や、ヨットレース、スロットマシン形式のタスクが紹介されている。
2025年のラスベガス開催の世界選手権では、Excelを使ってジグソーパズルを解くといった複雑な問題が出題され、アーリーがガイを破ってトロフィーを獲得した。今回のランドマークバトルは、これまでの屋内競技から一歩踏み出し、実環境でのパフォーマンスを試す試みとして評価できる。
競技エクセルの参加者は、事前に他のExcel専門家が設計した複雑な問題を短時間で解決する能力を競う。これは単なる表計算ソフトの操作速度だけでなく、関数の組み合わせ、マクロの活用、データモデリングの深い理解が求められる高度な競技である。
編集部の見解
短期的には、今回のランドマークバトルが競技エクセルに新たな観客層を呼び込む可能性がある。リモートワークが一般化した現代において、不安定な環境下でのパフォーマンス発揮力を競うという形式は、多くのビジネスパーソンにとって共感を呼ぶテーマだ。特に、ASUSのハードウェアが野外でも十分な性能を発揮した点は、モバイルワーク向け製品のプロモーションとしても有効に機能したと見る。
長期的視点では、この競技形式がeスポーツ的なエンターテインメントに発展する可能性がある。すでにESPNでの放送実績があるMEWCは、テレビ中継との親和性が高い。しかし、競技としての厳密性とエンターテインメント性のバランスが課題であり、単なるイベント企画で終わらせるのか、継続的なリーグ戦へ発展させるのかが問われる。
編集部として注目すべき論点は、Excelという業務用ツールが競技として成立する背景にあるスキルの本質だ。表計算ソフトの高度な活用法は、ビジネスインテリジェンスやデータ分析の基礎能力と直結している。この競技が、単なるゲームとして消費されるのではなく、実務スキルの啓発に貢献するかどうかを注視したい。
参考
- 「Excel competition goes extreme, makes spreadsheet geeks compete from the street」, by Brandon Vigliarolo — The Register, 2026-07-13T20:18:09.000Z (ARR)
- 元記事URL: https://www.theregister.com/offbeat/2026/07/13/excel-competition-goes-extreme-makes-spreadsheet-geeks-compete-from-the-street/5270709
よくある質問
- ランドマークバトルに参加した4名の競技者は誰か
- ディアマンド・アーリー(ニューヨーク・自由の女神像)、ジャック・ケネディ(ロンドン・ビッグベン)、ニコラ・ミコ(パリ・エッフェル塔)、アンドリュー・ガイ(シドニー港)の4名。アーリーが優勝し、ガイが2位、ケネディとミコがそれに続いた。
- 競技で使用された機材は何か
- ASUSが協賛し、各競技者にExpertBook UltraノートPCとワイヤレス接続可能なポータブルセカンドディスプレイを提供した。競技者はカメラマン1名のみが同行し、それ以外のサポートは受けられなかった。
- 競技エクセルはどのようにして普及したのか
- MEWCは2021年に始まり、2022年にESPNで放送されたことで広く認知された。その後も毎年世界選手権が開催され、2025年のラスベガス大会ではジグソーパズルをExcelで解くなどの高度な問題が出題されている。今回のランドマークバトルは初の野外開催となる。
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