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Mirandetta、スーツケース収納可能な3Dプリント電動バイク

Ivan Mirandaが3Dプリント電動スクーター「Mirandetta」の設計ファイルを公開。スーツケースに収納可能で1台のプリンタで全パーツを出力。価格は40ドル。

6分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

Mirandetta、スーツケース収納可能な3Dプリント電動バイク
Photo by fan yang on Unsplash

Ivan Mirandaが、スーツケースに収納可能な3Dプリント電動スクーター「Mirandetta」の設計ファイルを公開した。Tom’s HardwareのLuke Jamesの報道によれば、Mirandaは全パーツを1台の300mm×300mmビルドプレートで出力できるよう再設計し、自身のウェブサイトivanmiranda.comで40ドルで販売している。Mirandaはこれを「複雑な趣味の工作」と位置づけ、完成品としての量産を意図していないと明言している。

Mirandaがオリジナルを製作したのは約10日間で、プラハのMaker Faireに出展するための「旅行ハック」だった。成人が乗れるバイクでありながら、機内預け入れ荷物に収まる最小サイズを追求したものだ。当初はアルミ製の車輪アクスルとオールメタルのステアリングコラムアセンブリを使用していたが、公開版の設計ではこれらの金属部品を3Dプリント部品に置き換えている。

設計の要点

公開された設計は、部品点数と組み立ての複雑さを大幅に削減している。照明はオリジナルのジャンク品から調達した部品ではなく、市販のT10ソケットとバルブに統一。使用するネジの種類も削減され、すべてのパーツが300mm×300mmのビルドボリュームに収まるよう制約されている。

Miranda自身、「再設計は最初のバイクをゼロから組み立てるよりも手間がかかった」と述べている。基準とするプリンタはPrusa CORE One L(300mm×300mm×330mm)で、標準の250mmクラスのCORE Oneでは最大パーツを1枚で出力できない。

駆動と制御の仕組み

車輪には芝刈り機用タイヤを採用している。通常はフラットなトレッドでリーン(バンク)が困難だが、Mirandaはリム幅を標準より狭く設計し、タイヤ内部のビードリングを接近させた。空気を入れるとサイドウォールが外側に広がらず、トレッドが丸みを帯びてコーナリングに適したプロファイルへと変化する。

ブレーキシステムは自転車用ではなく、フローティング式のオートバイ用ディスクブレーキを使用する。フローティングディスクはリベットを外して中央ボアを広げることができ、3Dプリント製のアクスルをせん断することなく通せる。後輪はベルト駆動となっている。

スロットルは10KΩのリニアポテンショメータをArduinoで読み取り、モーターの電子スピードコントローラ(ESC)へマッピングする仕組みだ。

バッテリーと重量

電源は36Vのコードレス工具用バッテリーパック2基で構成される。工具用バッテリーを採用した理由として、ホットスワップが可能なことと、空港のセキュリティチェックを通りやすいことが挙げられている。DC-DCコンバータで36Vから12Vに降圧し、ホーンとライトに給電する。

バッテリーを装着しない状態での完成車両重量は約14kg強。ただし、組み立て済みの状態で折り畳んで収納することはできず、スーツケースに収めるには分解が必要となる。

公開の背景と制約

MirandaはプラハMaker Faireで「スーツケースに収まるバイク」コンテストに優勝し、次回はOpen Sauceで展示する計画を明かしている。ただし、販売されているファイルは「現状のまま(as-is)」で、サポートは一切提供されない。Miranda自身が「複雑な趣味ビルド」と断っている通り、一般的なDIY愛好家向けではなく、3Dプリントと電動モビリティに精通した上級ユーザーを対象とした設計だ。

Mirandaはこのバイクについて「超高速……速すぎる」と警告している。高出力の工具用バッテリーと軽量な車体がもたらす加速性能が、想定以上の危険を伴う可能性を示唆している。公道走行を前提とした安全認証や法規制をクリアしているわけではなく、あくまでも実験的なプロジェクトとして位置づけられる。

編集部の見解

本プロジェクトは、3Dプリンティング技術の進化が個人製造の限界を押し広げた好例と言える。300mm角のビルドプレートにすべての部品を収める設計制約は、製造業の常識をDIY領域に適用した興味深いアプローチだ。短期的には、Mirandettaのような設計ファイルの流通が、3Dプリンタユーザー間でのモビリティ自作ブームを加速させる可能性がある。ただし、工具用バッテリーの扱いや公道走行の法的リスクについて、十分な注意喚起が行われているとは言い難い。長期的に見れば、個人が車両全体を自宅で製造・組み立てる時代が、完全な製品としてではなく、カスタマイズ可能なキットとして現実味を帯びてきた。これは従来の自動車産業のサプライチェーンや安全規制の枠組みに、新たな問いを投げかける。編集部としては、こうしたプロジェクトが拡大するにつれ、3Dプリント車両の安全基準や保険制度の整備が不可欠になると見る。Mirandettaはその先鞭として、業界関係者に一考を促す存在だ。

参考

よくある質問

Mirandettaの設計ファイルはどこで入手できるか
Ivan Mirandaの公式サイト ivanmiranda.com で40ドルで販売されている。サポートはなく、現状のまま(as-is)での提供となる。
Mirandettaの組み立てに必要な3Dプリンタは何か
基準機種はPrusa CORE One L(300mm×300mm×330mm)で、これより小さいビルドプレートでは最大パーツを1枚で出力できない。
Mirandettaは公道で走行できるか
本プロジェクトは実験的なDIYビルドであり、公道走行のための安全認証や法規制を満たしていない。Miranda自身が「超高速で速すぎる」と警告しており、公道使用は推奨されない。 ## 参考 - [Tom's Hardware: This 3D-printed electric motorbike folds into your luggage — creator warns it is 'super fast... way too fast'](https://www.tomshardware.com/3d-printing/ivan-miranda-releases-files-for-a-3d-printed-electric-motorbike-that-fits-in-a-suitcase) — 2026-07-11公開
出典: Tom's Hardware

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