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FCC、DJI迂回企業8社に制裁 ドローン禁令を強化

FCCがDJIの米国禁止令を迂回する疑いのある8社に各25,000ドルの罰金を科す。回答期限は7月20日。中国の試験ラボも権限剥奪へ。

6分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

FCC、DJI迂回企業8社に制裁 ドローン禁令を強化
Photo by Karl Greif on Unsplash

米連邦通信委員会(FCC)は2026年7月10日、中国ドローン最大手DJIに代わって米国市場への製品投入を代行しているとされる「フロント企業(隠れみの会社)」8社に対し、各25,000ドルの罰金を科すと発表した。これらの企業はFCCの照会状に回答しなかったため制裁の対象となった。回答期限は7月20日までとされ、その後さらなる措置が取られる見通しだ。

The VergeのSean Hollisterの報道によると、FCCはこれらの企業に対し、米国で無線機器を販売しているかどうか、またそれらが「カバードリスト(対象企業リスト)」に該当するかどうかを問い合わせていたが、1社も回答しなかった。

制裁対象となった企業

罰金の対象となった8社は以下の通り:

  • Cogito Tech
  • Fixaxo Technology
  • Lyno Dynamics
  • Skyhigh Tech
  • Spatial Hover
  • SZ Knowact(Skyroverブランドの運営企業)
  • WaveGo Tech
  • Xtra Technology

これらの企業のうち、XtraとSkyroverは昨年、The VergeによってDJI製品を偽装して米国市場に流通させている疑いが報じられていた。Xtraという企業はDJIのOsmo Pocket 3と外見・仕様が同一のカメラを販売しており、SkyroverはDJIのドローンをブランド名だけ変えて販売している可能性が指摘されていた。

カバードリストと制裁の枠組み

FCCは2024年12月22日、すべての外国ドローン企業を「カバードリスト」に追加した。このリストに掲載された企業の製品は、国家安全保障上のリスクがあるとしてFCCによる無線機器認証が行われない仕組みだ。

昨年、FCCはさらに強力な権限を自身に付与している。認証をを通じてした製品であっても、事後的に禁止できる権限である。ドローン本体だけでなく、DJIの無線送信機を内蔵したカメラなども禁止対象となる。これにより、販売、輸入、マーケティングのすべてが米国内でできなくなる可能性がある。

試験ラボの権限剥奪も計画

FCCは8社への罰金に加え、中国にある1つの試験ラボの認証権限を剥奪する計画も明らかにした。このラボがDJIの製品に対して不正な認証を行っていた可能性が調査対象となっている。

DJIは昨年、XtraやSkyroverとの関係についてThe Vergeの質問に対し、肯定も否定もしなかった。同社はこれらの企業との関係を公に認めていない。

これまでの経緯と業界への影響

米国政府は2020年以降、DJI製ドローンを政府機関で使用することを禁止してきた。国防総省、内務省、連邦航空局(FAA)などが対象だ。2024年にはFCCが認証レベルでの禁止を強化し、DJI製品の米国市場からの実質的な排除が進んでいる。

この動きは、中国製テクノロジー製品に対する米国の安全保障上の懸念の一環だ。TikTokやHuaweiと同様、DJIも「中国政府との関係」が問題視されている。DJIはこれに対し、自社製品は軍事目的ではなく民生用であり、中国政府の指示で行動したことはないと繰り返し主張している。

今回のFCCの措置は、DJIの米国市場からの撤退がさらに加速することを示唆している。DJIはすでに消費者向けドローンの販売を米国市場で縮小しており、産業用ドローン事業も同様の影響を受ける可能性が高い。

DJIのドローンは米国の消防、警察、農業、建設業界で広く使われてきた。これらの業界はDJI製品の代替を見つける必要に迫られている。米国企業のSkydioや中国企業のAutel Roboticsが代替候補として挙げられるが、性能面でDJIに匹敵する製品は限られている。

編集部の見解

短期的には、FCCの罰金と調査の進展により、DJIのフロント企業を使った迂回ルートは事実上機能しなくなる。7月20日の回答期限を過ぎれば、さらに厳しい制裁(製品没収や販売禁止)が科される可能性が高い。DJI製品を利用している米国のエンドユーザー(農業や建設業界)は、サプライチェーンの寸断に直面することになる。 長期的には、この措置は米国と中国のテクノロジー分断の象徴的な出来事として位置づけられる。ドローンという民生品が安全保障の文脈で完全に規制対象となった事例だ。この動きは、半導体やAIに続く「テクノロジー脱中国化」の波及として、日本を含む同盟国にも影響を与える可能性がある。日本のドローン企業にとっても、米国市場への参入障壁が下がる一方、中国製部品への依存がリスクとして認識されるだろう。 編集部としては、FCCの規制が実効性を持つかどうかよりも、規制そのものが中国企業の技術開発と国際市場での競争力をどう変えるかに注目すべきだと考える。制裁によって中国企業が内需と新興国市場へ振り向ける場合、その製品がより低価格・高機能になる可能性も否定できない。

参考

よくある質問

今回のFCCの措置で、既に米国でDJI製品を所有しているユーザーは影響を受けるのか
既に購入済みの製品を個人が所有し使用することは、現時点では禁止されない。ただし、FCCは2025年に事後的な認証取消権限を獲得しており、将来的に販売や譲渡が制限される可能性がある。ファームウェアのアップデート提供が停止されるリスクも指摘されている。
DJI以外の中国製ドローン企業も今回の規制対象となるのか
カバードリストには「すべての外国ドローン企業」が含まれるとされているが、実際には中国政府と関係が深いと見なされる企業が対象になる。Autel Roboticsなどの競合他社も、FCCの調査対象となる可能性がある。ただし、現時点で制裁が科されたのはDJI関連企業のみだ。
今回制裁を受けた企業はDJIと法的に関係があることを認めているのか
どの企業もFCCの照会に回答しておらず、関係を肯定も否定もしていない。DJIも昨年の取材に対して回答を拒否している。The Vergeの調査では、これらの企業の製品がDJI製品と外見・仕様で一致することが確認されているが、法的な関係は証明されていない。 ## 参考 - [The Verge: The FCC is cracking down on DJI tech that dodged the foreign drone ban](https://www.theverge.com/policy/964342/fcc-crack-down-dji-front-companies-xtra-skyrover-sgs-lab) — 2026-07-10公開
出典: The Verge

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