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AIシステムプロンプトを収集 GitHubリポジトリが話題に

AIチャットボットのシステムプロンプトを収集・公開するGitHubリポジトリ「system_prompts_leaks」が注目を集めている。ClaudeやChatGPT、Geminiなど主要モデルの隠された指示文が一覧できる。

8分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

AIシステムプロンプトを収集 GitHubリポジトリが話題に
Photo by Luke Chesser on Unsplash

AIチャットボットのシステムプロンプトを収集・公開するGitHubリポジトリ「system_prompts_leaks」が、開発者コミュニティで注目を集めている。このリポジトリは、Claude、ChatGPT、Geminiなど主要なAIモデルが背後で従っているルールや指示文を文書化したもので、The Washington Postでも2026年5月11日に取り上げられた。

リポジトリの概要

system_prompts_leaksリポジトリの目的は、すべての主要AIチャットボットのシステムプロンプトを収集し、比較可能な形で保存することにある。システムプロンプトとは、AIモデルに対して開発企業が設定する行動規範や応答ルールのことで、通常はユーザーからは見えない部分にあたる。

このリポジトリは特に、Anthropicの最新モデルへの移行に伴うプロンプトの差分(Diff)機能を提供している点が特徴的だ。Claude Opus 4.8からClaude Fable 5への変更点を、差分形式で確認できるようになっている。

収集されているプロンプトの種類

リポジトリには、2026年5月から7月にかけて更新された多数のシステムプロンプトが登録されている。主なものを列挙する。

Anthropic傘下のモデル群では、Claude Sonnet 5(2026年7月1日)、Claude Design(Opus 4.8、2026年6月26日)、Claude Fable 5(2026年6月9日)、Claude Opus 4.8(2026年6月9日)といった最新バージョンが含まれている。また、コード生成向けのClaude Codeに特化したプロンプトも、Opus 4.8およびOpus 4.6の両バージョンが収録されている。

さらに、Anthropicの各統合機能に関するプロンプトも網羅されている。Cowork連携、Desktop Code、Design、Mobile iOS、In Chrome、Excel用、Word用、PowerPoint用、デフォルトスタイルといった多様なプラットフォーム向けの指示文が一覧できる。

OpenAI系では、GPT-5.5の各バリアント(Thinking、Instant、API、Pro API、Codex、Friendly、Pragmatic)が収録されている。GPT-5.4のAPIやCodex、GPT-5.3のSparkやCodex CLIに至るまで、バージョンごとの変遷も追跡可能だ。

Copilot関連では、GitHub Copilot for macOS(アプリ版)が2026年6月18日に更新されている。VS Code Copilot Agentのシステムプロンプトも同年5月21日に収録された。

Gemini 3.5 Flashは2026年5月20日、Perplexity Computerは同年5月21日、Grok Expertは同年5月11日と、競合モデルのプロンプトも揃っている。

その他、Docker Gordon AI、Antigravity CLI、Zed AIといった開発ツール向けのプロンプトも含まれており、AIエージェントの多様な応用領域が浮き彫りになっている。

技術的意義と透明性への影響

システムプロンプトの公開が持つ技術的意義は大きい。第一に、AIモデルの動作原理を理解するための重要な資料となる。システムプロンプトには、モデルの応答スタイルや禁止事項、優先すべき行動パターンなどが明記されているため、実際の挙動を解析する手がかりとなる。

第二に、プロンプトエンジニアリングの実践的な教材としての価値がある。各社がどのような指示文でモデルを制御しているかを知ることは、より効果的なプロンプト設計に直結する。例えば、ClaudeのDesignプロンプトでは48のツールと16のスキル、9のスターターソースが定義されている。このような詳細は、自社のAIシステムを構築する際の参考資料として活用できる。

第三に、AIの透明性に関する議論を促進する。Washington Postがこのリポジトリを取り上げた背景には、AIブラックボックス問題への関心がある。システムプロンプトはモデルの「憲法」とも言える存在で、その内容が公開されることで、利用者はモデルのバイアスや制約を事前に把握できる。

差分比較機能の価値

リポジトリが提供するDiff機能は特に注目に値する。あるバージョンから次のバージョンへの変更点を一覧することで、各社がどのような方針転換を行ったのかを追跡できる。

Claude Opus 4.8からClaude Fable 5への移行はその一例である。AnthropicがFable 5に関して、かつて18日間の規制を経て復活させた経緯は、当サイトでも報じたところだ。システムプロンプトの差分を分析すれば、復活時にどのような制約が追加されたのか、あるいは緩和されたのかを検証できる。

GPT-5.5への移行に伴うプロンプト変更も同様である。OpenAIが新モデルでどのような行動規範を追加したのか、思考モード(Thinking)と即時モード(Instant)でどうプロンプトを使い分けているのかが明らかになる。

セキュリティとプライバシーの観点

システムプロンプトの公開には、セキュリティ上のリスクも伴う。プロンプトインジェクション攻撃の手法が、過去には本リポジトリのような情報から発展したケースもある。一方で、透明性を高めることは脆弱性の発見と修正を促進する面もある。

例えば、Claude CodeのGlobツールやGrepツールに関するプロンプトが公開されている。これらはコードベース内の検索機能を提供するものだが、実装の詳細が露呈することで攻撃ベクトルが増える懸念もある。業界では、OpenAIがシステムプロンプトの一部を一般公開する方針を示しているが、Anthropicは公開範囲を限定する姿勢を取っている。この差が戦略上の判断として興味深い。

編集部の見解

本リポジトリは、AI業界における「ソースコードの公開」に相当する動きと評価できる。システムプロンプトはモデルの憲法であり、その公開は民主的な監視の基盤となる。短期的には、各社のプロンプト設計競争が加速し、より洗練された指示文が生まれると見る。中長期的には、システムプロンプトの標準化やベンチマーク化が進み、モデル比較の新たな指標が確立される可能性がある。編集部への問いとして、プロンプト公開がAIの安全性向上に真に寄与するのか、それとも悪用リスクを高めるだけなのか、引き続き注視すべきであろう。

参考

よくある質問

システムプロンプトとは何か
AIチャットボットの動作を制御するために開発企業が設定する指示文のこと。応答スタイル、禁止事項、優先すべき行動パターンなどが記述されており、モデルの「憲法」とも呼ばれる。通常はユーザーから見えない部分にあたる。
このリポジトリは違法なのか
現時点では明確な違法性は指摘されていない。システムプロンプトは各社が公開しているAPIやアプリケーションから技術的に抽出可能な情報であり、リポジトリ自体は収集・整理に特化している。ただし、各社の利用規約に抵触する可能性は否定できない。
システムプロンプトを公開することのメリットは何か
AIモデルの透明性向上、プロンプトエンジニアリングの研究促進、各社の行動規範比較の基盤提供などがある。開発者は他社のプロンプト設計から学び、自社のAIシステム改善に活用できる。
出典: GitHub Trending

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