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DIY自作Steam Machine、光ファイバーHDMIとBazziteで実現

愛好家Matthew BrunelleがValveの新型Steam Machineを購入せず、50フィートの光ファイバーHDMI 2.1ケーブルとBazzite、Steam Controller 2で既存PCをソファーゲーミング環境にDIY変換した手法を紹介する。

8分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

DIY自作Steam Machine、光ファイバーHDMIとBazziteで実現
Photo by Georgiy Lyamin on Unsplash

Valveが新型Steam Machineを発表した直後、ある愛好家がまったく異なるアプローチを示した。Tom’s Hardwareの報道によれば、Matthew Brunelle氏は新型Steam Machineを購入する代わりに、既存のPCをソファーゲーミング専用機へとDIYで変換したという。

同氏の手法は、50フィート(約15メートル)の光ファイバーHDMI 2.1ケーブル、Bazzite(LinuxベースのゲーミングOS)、そしてSteam Controller 2を組み合わせたものだ。一見すると「単なる長いケーブルの敷設」に過ぎないが、その背景にはワイヤレスストリーミングが抱える本質的な課題への対処と、コンソールライクなユーザー体験の追求がある。

DIYに至った背景

Brunelle氏のPCは自室に設置され、主にデスクトップ作業に利用されている。一方、テレビはリビングルームにあり、両者は物理的に離れている。この隔たりを埋める最も簡便な方法は、MoonlightやSunshine、あるいはSteam Remote Playを用いたワイヤレスストリーミングだ。

しかし、この方法には無視できない遅延が伴う。ゲームの種類によっては許容範囲かもしれないが、特にアクションゲームやシューティングゲームでは操作感に影響を与える。さらに、ワイヤレスストリーミングは基本的にPC画面のミラーリングに過ぎず、コンソールのように電源オン/オフでシームレスに遷移する体験とは異なる。加えて、Brunelle氏はNixOSをメインOSとして運用しており、その都度ケーブルを接続し、音声と映像の出力先を手動で切り替える必要があった。

これらの問題を一挙に解決したのがBazziteの導入である。同氏は3つ目のSSDにBazziteをインストールし、PCに追加した。BazziteはSteamのBig Pictureモードにおいて、再起動時に自動的に出力先をテレビに切り替え、HDMI経由の音声出力を記憶する。これにより、手動での設定変更が不要になった。

光ファイバーHDMI 2.1ケーブルの役割

ワイヤレスストリーミングの遅延問題を根本から解決するため、Brunelle氏は物理的な有線接続を選択した。使用したのは50フィートの光ファイバーHDMI 2.1ケーブルで、価格は75ドル。光ファイバー方式により、長距離伝送でも信号の劣化や追加遅延が発生しない。ケーブルは家のモールディング(額縁や廻縁)に沿って這わせてある。

現在のテレビはTCL Roku TVで、リフレッシュレートは60Hzに制限されている。しかしBrunelle氏は近々LG C5 OLEDへのアップグレードを計画しており、その際にこのケーブルの帯域幅をフルに活用できると見込む。特に、HDMI 2.1がLinux上のAMD GPUを正式にサポートするようになった点が重要だ。この点は、最近リリースされたLinux 7.2-rc1においてAMDGPU HDMI 2.1 FRL(Fixed Rate Link)が統合されたこととも整合する。

Steam Controller 2がもたらす完成度

最後のピースがSteam Controller 2である。このコントローラーは左右対称のアナログスティック、大型のタッチパッド、背面ボタンを備え、SteamおよびLinuxとの互換性が高い。Brunelle氏は以前DualSenseを使用していたが、Steam Controller 2はより快適で、接続が途切れることもないと評価している。

既にDualSenseで満足していた同氏だが、Steam Controller 2の信頼性と操作感が最終的な決定打となった。コントローラーが動作しない、接続が不安定といったストレスから解放される点が、ソファーゲーミング体験の質を大きく向上させる。

動作の流れ

実際の運用フローは以下の通りだ。Brunelle氏はまずPCの電源を入れ、ブートメニューでBazziteを選択する。以降はBazziteが自動的にリビングルームのテレビへ出力を切り替え、リビングルームのスピーカーから音声を再生する。ユーザーはSteam Controller 2を使ってBig Pictureモードでゲームを操作する。完全にコンソールライクな体験でありながら、PCの高い処理能力を活かせる。

この構成の利点は、PCを仕事用としてもそのまま使い続けられる点にある。Bazziteは別SSDにインストールされているため、メインOSであるNixOSとは完全に分離されている。ゲーミング専用の起動オプションとして機能し、通常のPC作業には一切影響を与えない。

既存の選択肢との比較

Valveが提供する新型Steam Machineは、SteamOSを搭載した専用ハードウェアであり、設定不要でコンソールライクな体験を実現する。しかし、DIY派にとっては既存のPCを流用し、必要な部分だけを拡張するアプローチにも利点がある。特に、高性能なグラフィックカードを既に所有している場合、新たなハードウェア投資を最小限に抑えられる。

BazziteはFedoraベースのLinuxディストリビューションで、Steam Big PictureとHandheld Daemon(HDD)を統合し、ゲーミングPCや携帯ゲーム機向けに最適化されている。NVIDIA GPUでも動作するが、AMD GPUとの組み合わせでよりシームレスな体験が得られる。HDMI 2.1のLinuxサポートが進んだことで、高リフレッシュレートや可変リフレッシュレート(VRR)も活用しやすくなっている。

編集部の見解

短期的に見れば、今回のDIY事例はValveの新型Steam Machineに対するアンチテーゼとして機能する。既存のPCをソファーゲーミングに転用する需要は確実に存在し、Bazziteと光ファイバーHDMIという組み合わせはその解の一つとして有効だ。ただし、この方法が一般ユーザーに普及するかは疑問である。ケーブルの敷設や追加SSDの管理、ブートメニューの操作といった手間を許容できるのは、依然として技術的な嗜好を持つ層に限られる。むしろ、この事例は「コンソールの対極にあるPCゲーミングの自由さ」を改めて示したものと言える。Steam Machineのような専用機が目指す「設定不要」の価値を相対化する点で、業界にとって意義がある。 長期的な視点では、ワイヤレスストリーミング技術の進化がこの種のDIYを不要にする可能性がある。Wi-Fi 7や低遅延コーデックの普及により、有線接続と遜色ない体験が実現すれば、物理的なケーブル敷設の価値は低下する。しかし同時に、Linuxゲーミングエコシステムの成熟がDIYの敷居を下げている。

参考

よくある質問

Bazziteとは何か
BazziteはFedoraベースのLinuxディストリビューションで、ゲーミング用途に特化したOSである。Steam Big PictureモードとHandheld Daemonを統合し、コントローラー操作や自動出力切り替えなどコンソールライクな体験を提供する。AMD GPUとの組み合わせで特に優れた互換性を持つ。
このDIY方法のメリットとデメリットは
メリットは既存PCを活用できるためコストが低いこと、高い処理能力を維持できること、PCを仕事用とゲーム用で切り替えられること。デメリットは長距離HDMIケーブルの敷設が必要なこと、起動時にブートメニュー操作が必要なこと、技術的な知識が求められることである。
Steam Controller 2の特徴は
左右対称のアナログスティック、大型タッチパッド、背面ボタンを搭載し、SteamおよびLinuxとの互換性が高い。DualSenseと比較して接続の安定性に優れ、より快適な操作感を提供する。特に長時間のゲームプレイでの信頼性が評価されている。 ## 参考 - [50-feet-long fiber optic HDMI cable and Steam Controller 2 is enthusiasts' answer to the Steam Machine | Tom's Hardware](https://www.tomshardware.com/video-games/pc-gaming/50-feet-long-fiber-optic-hdmi-cable-and-steam-controller-2-is-enthusiasts-answer-to-the-steam-machine-dismisses-valves-new-console-for-a-diy-bazzite-setup-with-a-controller) — 2026-07-04公開 - Bazzite公式サイト (https://bazzite.gg/)
出典: Tom's Hardware

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