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Daisy One、399ドルで挑むハイエンドノイズキャンセリング市場

カリフォルニアの新興企業Daisy Soundが初のヘッドホン「Daisy One」を発表。アルミ削り出し筐体にノイズキャンセリング搭載、399ドルでアップルやソニーと競合する。

6分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

Daisy One、399ドルで挑むハイエンドノイズキャンセリング市場
Photo by Ervo Rocks on Unsplash

米カリフォルニア州を拠点とする新興企業Daisy Soundが、初の自社ブランド製品となるヘッドホン「Daisy One」を発表した。価格は399ドル。アップルのAirPods MaxやソニーのWH-1000XM6といったプレミアムノイズキャンセリングヘッドホン市場に、デザイン面と価格面の両方から挑戦状を叩きつける。

異業種からの参入

Daisy SoundのCEO兼創業者Jack Mulroe氏は、WIREDの取材に対して「プレミアムヘッドホン市場は退屈だ。黒くて似たようなデザインばかりで、どのヘッドセットが最高かというスペック競争に陥っている」と現状への不満を語る。「カリフォルニアにインスパイアされたヘッドホンで、人々がリラックスできるようにしたい」というのが同社の理念だ。

Mulroe氏は自身を「オーディオ業界の外部から来た産業デザイナーのチーム」と位置づける。Daisy Soundには元Harman Professional Solutionsのエンジニアも在籍している。Harmanはサムスン傘下のオーディオ企業であり、プロフェッショナル向け音響システムで知られる。

Daisy Oneの外観とスペック

Daisy Oneの筐体はアルミニウム製で、ヘッドバンドにはヘッドホンメーカーで広く採用されている複合素材TR90を使用する。重量は318グラムと競合製品よりやや重いが、アルミ合金の高級感と耐久性を重視した設計だ。イヤーパッドはマグネットで着脱できる。

接続方式はBluetoothに加え、USB-Cと3.5mmアナログの有線接続にも対応する。カラーバリエーションはシルバー、太平洋をイメージしたブルーのPacific、緑がかったブラウンのKelpの3色展開だ。

バッテリー駆動時間はノイズキャンセリングON時で約35時間、OFF時で約45時間と、競合と同等かそれ以上の水準にある。ただし、バッテリーは内蔵型でユーザーによる交換は想定されていない。

内蔵サウンドと独自機能

音響システムはユタ州の企業(nxc)systemsと契約し、開発している。特筆すべきは、端末本体にカリフォルニアで録音された環境音を内蔵している点だ。波の音やビッグサー(Big Sur)の森林のアンビエンスなど、リラクゼーションを目的としたサウンドスケープがプリインストールされる。

また、ストレスフルな環境(空港など)での使用を想定し、誘導式の呼吸法エクササイズ(ブレスワーク)も搭載する。これは単なるヘッドホンというより、デジタルウェルビーイングツールとしての側面を打ち出していると言える。

競合との価格差

Daisy Oneの価格399ドルは、AirPods Max(549ドル)やWH-1000XM6(450〜550ドル)と比較して、明らかに低く設定されている。Mulroe氏は「ソニーやBose、Beats、アップルといった大手との競争を意識しているが、それを恐れてはいない」と強気の姿勢を見せる。

ただし、ヘッドホン市場は価格帯を問わず激戦区だ。ロンドン拠点のNothingは派手なデザインのオーバーイヤーヘッドホンで存在感を示し、AnkerのSoundcoreブランドは低価格帯で高いコストパフォーマンスを実現している。高級路線ではBowers & WilkinsやGradoといった老舗が絶対的なブランド力を誇る。Daisy Soundがどこまで差別化できるかが問われる。

編集部の見解

新興企業が競合ひしめくヘッドホン市場に参入する試みは、製品の完成度だけでなく、ブランドの認知獲得というハードルを伴う。Daisy Oneはアルミ筐体とカリフォルニア発のデザイン性、399ドルという価格設定で差別化を図るが、バッテリー交換不可の仕様は耐久性を謳う製品としての矛盾を抱える。同社が「製品を長く使ってほしい」というメッセージを伝えるなら、バッテリー交換の選択肢を提供すべきではないか。 短期的には、アップルやソニーのエコシステムに縛られないユーザー層への訴求が鍵となる。Daisy Oneに搭載される環境音や呼吸法エクササイズといった機能は、単なるノイズキャンセリングを超えた「体験」を提供することで、競合との差別化を図る戦略と評価できる。 長期的に見ると、オーディオ業界で実績のないデザインチームがどこまで音質とブランド力を高められるかが焦点だ。Harman出身のエンジニアを抱えるとはいえ、Daisy Sound単独での事業継続は容易ではない。製品ラインナップを拡充し、小売チャネルを開拓できなければ、一発屋で終わるリスクも否定できない。

参考

  • Wired — 2026-06-30T21:07:32.000Z公開

よくある質問

Daisy Oneのバッテリー交換は可能か
公式にはユーザーによるバッテリー交換は想定されていない。内蔵型バッテリーのため、バッテリー劣化時はメーカーによる修理対応となる可能性が高い。同社は耐久性を重視する製品姿勢を示しているが、この点は長期間使用を考えるユーザーにとって懸念材料となり得る。
Daisy Oneは有線でも使えるか
USB-Cケーブルによるデジタル接続と、3.5mmアナログケーブルによる従来の有線接続の両方に対応する。これにより、ゲーミング用途や音質重視のリスニングにも対応できる。Bluetooth接続時のコーデック詳細は現時点で明らかにされていない。
競合製品と比べて音質はどうか
音響システムは(nxc)systemsが担当しているが、試聴レビューはまだ限定的である。AirPods MaxやWH-1000XM6との直接比較は、製品の市場投入後に本格化すると見られる。編集部としては、実際の試聴試験を実施し、ノイズキャンセリング性能と音質のバランスを評価する必要があると考える。 ## 参考 - [Daisy Sound’s First Headphones Are Premium, High-Quality—and Just a Little Bit Cheaper - WIRED](https://www.wired.com/story/daisy-sound-yet-another-company-is-making-premium-high-end-headphones/) — 2026-06-30公開
出典: Wired

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