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KO IIサンプラー、大規模OSアップデートで進化

Teenage EngineeringがEP-133 KO IIサンプラー向けOS 2.5を公開。USBオーディオ対応、lofi向けサンプルレート選択、リバース機能、アルペジエーター、最大録音時間倍増など、過去最大規模のアップデートだ。

7分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

KO IIサンプラー、大規模OSアップデートで進化
Photo by Ricardo Abreu on Unsplash

スウェーデンの音楽機材メーカーTeenage Engineeringが、サンプラー「EP-133 KO II」向けのOS 2.5を2026年6月27日に公開した。今回のアップデートは、USB経由のオーディオ入出力対応、lofi向けサンプルレートの選択機能、サンプルリバース、アルペジエーター、等長オートチョッピング、最大サンプル時間の倍増(20秒から40秒)など、発売以来で最も大規模な機能追加を含む。

待望の機能が一挙に実装

価格329ドルのEP-133 KO IIは、そのコンパクトな筐体からは想像し難い高い拡張性を持つサンプラーとして知られる。The Vergeの報道によれば、OS 2.5で追加された機能群は、これまでユーザーから要望が多かったものを一挙に取り入れた内容だ。

特にサンプルリバースは、実装がこれまで遅れていたことが不思議に思えるほど基本的な機能である。Teenage Engineeringは過去にも複数回の大型アップデートを提供してきたが、今回のアップデートはそれらを上回る規模となる。

サンプルレート選択がもたらすlofi表現

編集部が特に注目するのは、新たに追加されたサンプルレート選択機能だ。標準の46kHzに加え、32kHzと26kHzの2モードが選択可能になった。32kHzモードは温かみのあるキャラクターを付加し、26kHzモードでは完全なlfiサウンドへと変化する。デジタル的な粗さが魅力のlofi音楽制作において、この機能はハードウェア単体で完結するワークフローを可能にする。

従来、lfiサウンドを得るにはDAW上での後処理やエフェクターが必要だった。KO II単体でサンプリング時にビットクラッシュ的な質感を付与できるようになったことは、ライブパフォーマンスやフィールドレコーディングの現場でのリアルタイムな音作りに新たな可能性を開く。

アルペジエーターの採用が示す方向性

サンプラーにアルペジエーターは必ずしも一般的ではないが、KO IIのピッチ再サンプリングのクオリティは非常に高く、これによりシンセポップのベースラインを容易に生成できるようになった。The VergeのTerrence O’Brien氏は、KO IIのピッチ再サンプリングを「CASIO SK-1の後継機としてずっと欲しかったもの」と評している。

アルペジエーターの搭載は、KO IIが単なるサンプラーではなく、シンセサイザーとしての性格を強めていることを示す。同機種をメロディックな素材の演奏に活用するユーザーにとって、この機能追加は実用的な価値が高い。

オートチョッピングの改良

等長オートチョッピングの追加は、サンプルやループの切り貼り作業を大幅に効率化する。従来のトランジェント検出ベースのオートチョッパーは、ブレイクビーツからドラムヒットを分離する用途に優れていた一方、メロディックなコンテンツの処理には不向きだった。

等長チョッピングは、ビートやループを均等な長さで分割するため、ラップやボーカルサンプルの再設定、メロディループのリミックスに適している。最大サンプル長が20秒から40秒に倍増したことも、この機能の実用性を高めている。モノラル録音に切り替えることでステレオ時の倍の時間を確保する方式だが、多くのサンプリング用途において品質上の実害は少ない。

USBオーディオ対応の意義

USBオーディオ対応は、KO IIをコンピューター周りの機材として統合する上で極めて重要なアップデートだ。従来はアナログ接続が主体だったため、録音や再生のたびにオーディオインターフェースを介する必要があった。USB直接接続により、DAWとのシームレスな連携が可能になる。

この機能は、同じくTeenage Engineeringの姉妹機であるRiddimにも提供される。ただし、中世をテーマにした特殊仕様のEP-1320 Medievalサンプラーは、USBオーディオのみの対応にとどまる。編集部がThe Verge経由で確認したところ、Medievalモデルがアップデート対象から定期的に除外される理由について、Teenage Engineeringからの回答は得られていない。

その他の改善点

OS 2.5には上記の目玉機能に加え、タイムストレッチの改良、新しいスケール、パッドごとのタイムシフト、多数のバグ修正が含まれる。Teenage Engineeringはハードウェア製品に対して長期にわたるファームウェア更新を提供することで知られ、OS 2.5は同社の製品ライフサイクル戦略が奏功している好例と言える。

同社の製品はデザイン性の高さと音質で評価される一方、発売初期のファームウェアは機能が限定的であることが少なくない。今回のアップデートで、KO IIは発売時から大幅に機能が拡張されたことになる。ユーザーは同社の公式アップデートページからファームウェアをダウンロードし、USB経由で適用できる。

編集部の見解

短期的には、KO IIのユーザーは今回のアップデートにより購入時のハードルが大幅に低下したと評価できる。特にUSBオーディオ対応とサンプル長の倍増は、スタジオ機材としての導入障壁を取り除く。中古市場でもKO IIの価値が上昇する可能性がある。

長期的に見れば、Teenage Engineeringがハードウェア販売後のファームウェア更新を継続的に行うビジネスモデルは、競合他社に対する差別化要因として機能する。モジュラーシンセやサンプラー市場は新興メーカーが乱立しているが、長期サポートの姿勢はプロユーザーのロイヤルティ獲得につながる。

Medievalモデルが大規模アップデートから除外され続けている点は、製品ポートフォリオ上の位置づけの曖昧さを露呈している。テーマ性の強い製品に対するアップデート投資の優先順位について、Teenage Engineeringの方針の透明性が問われる。

参考

  • The Verge — 2026-06-27T21:20:32.000Z公開

よくある質問

OS 2.5はどのようにインストールするのか
Teenage Engineeringの公式アップデートページからファームウェアをダウンロードし、USBケーブルでKO IIをコンピューターに接続して適用する。対応OSはmacOS、Windows、Linuxの各プラットフォームがサポートされている。
EP-1320 Medievalサンプラーはなぜ一部機能しかアップデートされないのか
Teenage Engineeringは現時点で理由を公表していない。The Vergeが問い合わせたものの回答は得られていない。テーマ性の強い限定モデルであることが影響している可能性がある。
26kHzサンプルレートはどのような用途に適しているか
意図的に低品質にすることで得られるlofサウンドが目的の音楽制作に適する。デジタル的な歪みや折り返し雑音を積極的に活用するジャンルで有用であり、フィールドレコーディングの素材を加工する際にも効果を発揮する。 ## 参考 - [Teenage Engineering adds lo-fi mode, USB audio, and more to its KO II sampler - The Verge](https://www.theverge.com/entertainment/958723/teenage-engineering-os-25-ep-133-ko-ii-sampler) — 2026-06-27公開 - Teenage Engineering公式アップデートページ: https://teenage.engineering/guides/ep-133/update
出典: The Verge

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