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Nothing、RAM価格高騰でCMF Phone新機種の発売を中止

Nothingの共同創業者Akis EvangelidisがXで発表。CMF Phone 2 Pro後継機はメモリ価格の急騰により「価格に見合った進歩」を実現できず、2026年の発売を見送る。業界全体に広がるRAM価格高騰の影響が浮き彫りに。

5分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

Nothing、RAM価格高騰でCMF Phone新機種の発売を中止
Photo by Franck V. on Unsplash

RAM価格の高騰がスマートフォン業界に深刻な影響を及ぼしている。Nothingは2026年6月19日、同社のサブブランド「CMF」向けに開発していた新機種の発売を年内は見送ると発表した。The Vergeが報じている。

決断の背景

Nothingの共同創業者であるAkis EvangelidisはX(旧Twitter)への投稿で、CMF Phone 2 Proの後継機を開発中だったことを明かした。その上で「メモリ価格が現在の水準にあるため、CMFにとって価格的に理にかなう形で、真の進歩と感じられる製品を構築できない」と説明。「結果として、今年は新たなCMF Phoneを発売しないことを決定した」と述べている。

先週にはNothingのCEO兼共同創業者であるCarl Peiも、ミッドレンジ端末「Phone 4A」について同様の問題を指摘していた。Peiは「メモリコストは端末の開発を決定した時点と発売時点の間で2倍になった。その後、さらに2倍になっている」と説明。「メモリは今やスマートフォンにおいて最も高価な部品だ」と述べている。

業界全体に波及するRAMageddon

RAM価格の高騰はNothingだけの問題ではない。The Vergeの報道によれば、AppleのCEOであるTim Cookも今週初めに「状況は持続不可能になった」として価格引き上げを発表している。スマートフォンからPC、サーバーに至るまで、DRAMおよびNANDフラッシュメモリの価格上昇はハードウェア業界全体を揺るがしている。

こうした状況は「RAMageddon」とも呼ばれ、半導体メモリの需給逼迫が消費財メーカーの製品戦略を根本から変えつつある。とりわけ、価格競争の熾烈なエントリークラスやミッドレンジの端末では、メモリコストの上昇を製品価格に転嫁することが困難だ。NothingがCMF Phoneの新機種を断念した背景には、この構造的な課題がある。

CMFブランドの今後

Evangelidisは投稿の中で、CMFブランドが「いくつかの新製品、そしてまったく新しいカテゴリを発売する予定である」とも述べている。スマートフォン以外の製品ラインナップで攻勢をかける姿勢を示した形だ。また、「Nothingのスマートフォン発売シーズンはまだ終わっていない」と含みを持たせており、フラッグシップモデルや他価格帯での展開には引き続き注力する可能性を示唆している。

CMFはこれまで、低価格帯ながら品質とデザイン性を両立したスマートフォンやイヤホン、スマートウォッチなどを投入してきた。RAM価格高騰によって最も打撃を受けやすい価格帯を担うブランドだけに、今後の戦略見直しは避けられない。

編集部の見解

短期的には、RAM価格高騰がミッドレンジ以下のスマートフォン市場を直撃している。NothingのCMF Phone中止は象徴的な事例だが、同様の動きは他社にも波及する可能性が高い。特に新興メーカーや低価格帯に注力するブランドは、製品の値上げか、機能の大幅な削減か、あるいは今回のような発売中止かの選択を迫られる。2026年後半のエントリーモデル市場は、品揃えの減少という形で消費者に跳ね返ってくると見られる。 長期的には、半導体メモリの価格変動が端末製品の設計思想そのものを変える可能性がある。Peiが指摘したようにメモリが「最も高価な部品」になったという認識が業界に定着すれば、メモリ容量の適正化やソフトウェアによるメモリ管理の高度化が競争軸として再評価されるだろう。また、メモリメーカーの増産投資が実を結び、需給が均衡に向かうまでの過渡期と捉えることもできるが、スマートフォン全体の価格帯が底上げされるトレンドは当面続くと考えられる。 編集部としては、RAM価格の今後の推移が市場構造そのものを変える転換点にあると評価する。

参考

よくある質問

NothingのCMF Phoneシリーズとはどのような製品か
CMFはNothingが展開するサブブランドで、低価格帯を主なターゲットとする。CMF Phone 2 Proは2025年に発売され、手頃な価格と特徴的なデザインで注目を集めた。今回の発表で、その後継機種が2026年は発売されないことが確定した。
RAM価格高騰の主な原因は何か
DRAMおよびNANDフラッシュメモリの価格は、AI向けデータセンターの需要急増やスマートフォン・PCのメモリ搭載量増加、さらにメモリメーカーの投資抑制と生産能力不足が重なり、2025年後半から急騰している。スマートフォンにおいてメモリはディスプレイやSoCを超えて最も高価な部品になりつつある。
Nothingは今後スマートフォンを発売しないのか
今回の発売中止はCMFブランドに限定される。Evangelidisは「Nothingのスマートフォン発売シーズンはまだ終わっていない」と述べており、フラッグシップやハイエンドモデルの展開は継続する可能性が高い。CMFブランドについてはスマートフォン以外の新製品カテゴリを投入する計画を示している。
出典: The Verge

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