Steam Controller予約殺到、新規注文は2027年発送へ
Valveの新型Steam Controllerが予想を超える需要で供給不足に。新規予約は2027年発送の見通し。同社は生産継続を表明しつつ、期待値管理に注力する。
Valveが2026年5月に発売した新型Steam Controllerの予約が想定を大幅に超える需要で逼迫し、現時点で新規予約を申し込んだ場合、2027年まで発送が待たされる見通しとなった。The Vergeの報道(2026年6月18日付)によれば、Valveは予約時の発送時期見積もりを3段階に分けて表示する仕組みを導入したが、最新の予約はすべて「2027年中」に分類されるという。
3段階の見積もりと現状
Valveは予約受付ページで、ユーザーに対して「2026年9月まで」「2026年12月まで」「2027年中」の3種類の発送時期目安を表示している。2026年6月18日時点で新規に予約を行った場合、システムは「2027年発送」を示す。同社は声明で「現在の需要と年末までに生産可能な台数を比較すると、いつ注文を受け取れるかについて期待値を管理したい」と説明した。
Valveは「Steam Controllerの製造を止める計画はない」と明言しており、長期にわたる生産継続の方針を示している。ただし、供給が需要に追いつかない現状を率直に認め、顧客の期待値を適切に管理する姿勢を取っている。
発売直後の混乱と予約制度への移行
新型Steam Controllerは2026年5月上旬に一般販売が開始されたが、初日から想定を超える注文が殺到した。販売開始直後にはチェックアウト処理に不具合が発生し、多くのユーザーが購入手続きを完了できなかった。Valveは数日後に在庫が尽きたことを受け、販売方式を予約待ち行列(レゼルベーションキュー)に切り替えた。
予約制度では、希望者が順番待ちリストに登録し、購入可能の通知を受けてから72時間以内に注文を確定する仕組みとなっている。Valveは「予約待ち行列への切り替えで、顧客側の負担を減らせたはずだ。当社としても生産計画の策定と迅速な出荷に役立っている」と述べている。
3つのハードウェア製品の遅延連鎖
Steam Controllerの供給不足は、Valveが2026年初頭に計画していた3つのハードウェア製品のうち、最初の製品で発生した問題である。同社は同時期にSteam Machine(ゲーミングPC)とSteam Frame(VRヘッドセット)の発売を予定していたが、部品危機の影響でいずれも遅延している。現時点でSteam MachineとSteam Frameの具体的な発売時期は未発表である。
一方で、Valveは2026年6月17日にSteamOS 3.8大型アップデートを正式リリースし、Steam Machineのソフトウェアサポートを開始した。また、米国向けに多数のハードウェアを輸入していることも確認されており、生産体制の整備を進めている可能性がある。
需要過多の背景
今回のSteam Controllerに対する需要急増の背景には、Valveがこれまでに蓄積したハードウェア製品への信頼が影響していると見られる。同社は携帯型ゲーミングPCのSteam Deckで大きな成功を収めており、そのノウハウを活かした新型コントローラーへの期待が高まっていた。
新型Steam Controllerは、従来のゲームパッドの概念を刷新する設計と、Steamプラットフォームとの緊密な連携が評価され、発売前から高い注目を集めていた。Valve自身も「発売直後の需要が予想を上回った」と認めており、生産計画の見通しが甘かったことを示唆している。
生産能力と部品調達の課題
Valveのハードウェア生産能力は、NintendoやSonyなどの大手ゲーム機メーカーと比較すると規模が小さい。同社は過去にSteam LinkやSteam Controllerの初代モデルを生産した経験を持つが、携帯ゲーム機のSteam Deckで初めて本格的な大量生産に取り組んだ。今回の新型Steam Controllerでも、生産体制の構築に時間を要している可能性がある。
特に半導体部品や電子部品の調達は、世界的な部品危機の影響が依然として続いており、ValveはSteam MachineとSteam Frameの遅延理由としても部品危機を挙げている。Steam Controllerも同様の制約に直面し、生産台数を十分に確保できていないと推測される。
編集部の見解
今回のSteam Controllerの予約遅延は、Valveのハードウェア事業が成長過程にあることを如実に示している。短期的には、2026年内の発送枠が早期に埋まり、新規予約者は少なくとも2027年まで待機する必要がある。これにより、Steam Controllerの市場普及は計画より半年から1年遅れ、同製品を核としたエコシステムの構築にも影響が出る可能性がある。
長期的に見れば、ValveはSteamOS 3.8のリリースとSteam Machineの投入で、ソフトウェアとハードウェアの統合エコシステムを本格化させる戦略を推し進めている。しかし、3製品すべての安定供給には生産能力の大幅な拡大が不可欠であり、部品調達や製造委託先の確保が今後の課題となる。
編集部としては、Valveが生産能力をどのように拡大し、予約待ちの顧客への説明責任を果たすかに注目したい。予約制度は需給ギャップを埋める有効な手段だが、1年以上の待ち時間は消費者の購買意欲を減退させるリスクがある。同社が長期にわたって需要に応え続ける体制を構築できるか、今後の動向が問われている。
参考
よくある質問
- Steam Controllerの予約をした場合、どのくらい待つ必要があるか
- 2026年6月時点の新規予約では、発送時期の見積もりは「2027年中」となる。予約時にシステムが表示する3段階の目安(2026年9月まで、2026年12月まで、2027年中)のうち、最も遅い区分に該当する。
- ValveはSteam Controllerの生産を終了する予定があるか
- Valveは「製造を止める計画はない」と明確に否定している。需要が高い状況が続いているため、生産を継続する方針である。ただし、具体的な生産台数や増産計画については公表されていない。
- Steam MachineとSteam Frameの発売時期はいつか
- 現時点でValveは具体的な発売時期を発表していない。当初は2026年初頭の3製品同時発売を計画していたが、部品危機の影響でSteam Controller以外の2製品は大幅に遅延している。SteamOS 3.8アップデートでSteam Machineのソフトウェアサポートは開始された。
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