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EFF新執行役員Nicole Ozer就任、監視対抗の法的権威を迎える

米国のデジタル権利団体EFFが、プライバシーと監視の法的専門家Nicole Ozer氏を新執行役員に迎えた。25年の実績を持つOzer氏がEFFの新たな舵を切る。

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EFF新執行役員Nicole Ozer就任、監視対抗の法的権威を迎える
Photo by Dan Nelson on Unsplash

米国のデジタル権利擁護団体であるElectronic Frontier Foundation(EFF)は2026年6月1日、新執行役員としてNicole Ozer氏を迎え入れたと発表した。Ozer氏はプライバシーと監視、人工知能、デジタル言論の分野における法的専門家であり、デジタル時代の市民的自由を守る組織のトップとして今後のEFFを率いていくことになる。

前任者のCindy Cohn氏は2015年から執行役員を務め、EFFでの勤務は25年以上に及んだ。Cohn氏は引退するわけではなく、政府を相手に法廷で戦うという自身の原点に戻るために退任を決断したという。今後もEFFコミュニティの一員として関わり続けるとしている。

デジタル権利擁護の最前線を歩いてきたキャリア

Ozer氏の経歴は、デジタル時代における市民的自由の擁護と深く結びついている。カリフォルニア大学サンフランシスコ校ロー・スクールの憲法民主主義センターで初代執行役員を務めた後、2004年から2025年にかけて北カリフォルニアACLU(米国自由人権協会)のテクノロジーおよび市民的自由プログラムの創設ディレクターとして約20年間にわたって活動してきた。

EFFとは長年の協力関係にあり、デジタル世界における市民的自由の擁護に向けて共に取り組んできた存在だ。EFFの公式発表では、EFFスタッフにとって「実際にここで働いていなかったとしても、最もEFFファミリーに近い存在」と表現されている。

監視規制のモデル法が全米25州に波及

Ozer氏の功績の中で特に注目されるのが、監視システムに対する民主的監督を義務付ける画期的なモデル法の起草だ。このモデル法は全米で25の法律の制定に影響を与え、1,700万人以上の市民の権利と安全を守る成果を上げた。地方政府が導入する監視技術に対して民主的な承認プロセスを求けるこの仕組みは、プライバシーと安全のバランスを図る上で重要な先例となっている。

全米最強の電子監視規制法成立を主導

Ozer氏はカリフォルニア州電子通信プライバシー法(CalECPA)の成立にも主導的な役割を果たした。この法律はEFFと協力して策定されたもので、政府が電子情報にアクセスするためには令状を要求するという、全米で最も強力な電子監視規制法とされている。スマートフォンの位置情報、電子メール、クラウド上に保存されたデータなど、現代人が日常的に生成する膨大な電子情報に対する政府のアクセスを制限する枠組みを構築した意義は大きい。

さらに、デジタル時代の読書記録保護のためにカリフォルニア州法を現代化する取り組みにも携わった。EFFと協力して策定された読書プライバシー法では、政府が図書館や電子書籍サービスを通じた読書記録にアクセスするためには「スーパー令状」と呼ばれるより厳格な令状が必要とされている。知識へのアクセスという民主主義の根幹に関わる権利を、デジタル環境においても守ろうとする試みだ。

訴訟活動と大手テック企業への政策圧力

法廷での活動もOzer氏の重要な功績の一つだ。NSA(米国家安全保障局)の監視活動を巡る訴訟にEFFと共同で取り組み、市民的自由の擁護のために法的戦いを展開してきた。米国最高裁判所やカリフォルニア州最高裁判所を含むすべての裁判所レベルにおいて、テクノロジー問題に関する影響力のある意見書(アミカス・ブリーフ)の起草にも貢献している。

また、ソーシャルメディア監視や顔認識技術に関する大手テクノロジー企業の政策を強化するための多年度キャンペーンも展開した。世界中の数十億人が利用するプラットフォームにおいて、プライバシーと表現の自由のより強力な保護を実現するための取り組みだ。テクノロジー企業が自社のサービスにおいてユーザーの権利をどう守るかという問いは、AIの普及とともにますます重要性を増している。

AI時代を迎えたEFFの新たな使命

EFFは、テクノロジーが自由、正義、革新を支えることを確実にするための活動がこれまで以上に緊急性を帯びていると強調している。2026年現在、生成AIの急速な普及、顔認識技術の拡大、政府や企業によるデータ収集の増大、オンライン言論を巡る規制の強化など、デジタル権利を取り巻く課題はかつてないほど複雑化している。

Ozer氏の公共利益テクノロジー分野における20年以上の経験と、プライバシー、監視、AI、デジタル言論というEFFが直面する主要テーマすべてにまたがる専門知識は、組織にとって大きな強みとなるだろう。EFFは、Ozer氏のリーダーシップのもとで現在の課題に対応し、今後に向けた態勢をさらに強化できると期待を寄せている。

EFFはサンフランシスコに本拠を置く非営利団体で、1990年の設立以来、デジタル世界における市民的自由の擁護活動を続けてきた。法的訴訟、政策提言、技術開発、市民への教育活動など、多角的なアプローチでデジタル権利の保護に取り組んでいる。

よくある質問

EFFとはどのような組織ですか?
EFF(Electronic Frontier Foundation)は、デジタル世界における市民的自由の擁護を目的とした米国の非営利団体です。1990年の設立以来、プライバシー、言論の自由、イノベーションの権利を守るため、法的訴訟や政策提言、技術開発など幅広い活動を展開しています。サンフランシスコに本部を置き、政府やテクノロジー企業による権利侵害に対抗する活動で知られています。
Nicole Ozer氏のEFFでの主な役割は何ですか?
Nicole Ozer氏は、EFFの新執行役員として組織全体の戦略的方向性を統括します。プライバシー、監視、AI、デジタル言論の法的専門家として、EFFのデジタル権利擁護活動をリードする役割を担います。前任者Cindy Cohn氏の後を継ぎ、テクノロジーが自由と正義を支えるというEFFの使命を推進していきます。
Ozer氏が起草した監視規制のモデル法とはどのようなものですか?
地方政府が導入する監視システムに対し、民主的な監督と承認プロセスを求めるモデル法です。この法律の枠組みは全米25州で採用され、1,700万人以上の市民の権利保護に貢献しました。法執行機関や自治体が顔認識カメラや監視技術を導入する際には、市民の意見を聴き、公的に承認を得るプロセスが義務付けられます。
出典: EFF Deeplinks

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