Bitsocial公開:サーバーレスP2Pでソーシャルアプリを作る新基盤
オープンソースのP2Pネットワーク「Bitsocial」が登場。サーバー不要でコミュニティごとに独立したIPFSベースのスウォームを形成、ユーザーは秘密鍵でアイデンティティを所有する。
ソーシャルアプリのあり方を根本から変えようとする新たな動きが注目を集めている。オープンソースのピアツーピア(P2P)ネットワーク「Bitsocial」が公開された。中央サーバーを持たず、グローバルな禁止(ban)も存在しない。ユーザーとコミュニティは暗号学的に所有される「プロパティ」として扱われるという。
サーバーも連合もブロックチェーンもいらない
Bitsocialの設計は既存の分散型ソーシャルネットワークとは一線を画す。連合型(Mastodonなど)やブロックチェーン型(Farcaster、Lensなど)と比較した表も公開されており、その違いは明確だ。
- 連合型:自己ホスティングにサーバー+ドメイン+SSLが必要。運用者はインスタンス運営者。拡大するほどコストが増大し、停止のリスクはホストやレジストラ、DDoS対策に集中する。
- チェーン/ハブ型:高価なノードやRPCが必要。チェーンやハブのインフラに依存し、カスタムモデレーションも制限される。
- Bitsocial:純粋なP2P。各コミュニティは独立したIPFSスウォームとして動作し、BitTorrentに近い。ユーザーはシードを提供し、ノードは安価なハードウェアで動作。コミュニティは完全に独立し、主権を持つ。
つまり、従来のようなサーバー代やドメイン代、SSL管理が不要で、自宅のRaspberry Piでもノードを動かせる。
鍵でコントロールされるアイデンティティとコミュニティ
Bitsocialでは、プロフィールやコミュニティは秘密鍵で制御される。従来のソーシャルプラットフォームのように企業に所有権を「レンタル」されるわけではなく、ウォレットで管理される資産のように振る舞う。第三者にホスティングを委任しても所有権は手放さない。
モデレーションはローカルに限定される。コミュニティの運営者が自分のルールを設定でき、アプリ側も何をインデックスするかを選択できる。しかし、プロトコルレベルでプロフィールを消去したりコミュニティを没収したりするスーパー管理者は存在しない。
コミュニティごとに自由なスパム対策
Bitsocialの興味深い点は、各コミュニティが任意のスパム対策を実装できることだ。CAPTCHA、レピュテーション、SMS、支払い、トークン、IPチェックなど、コード化できるあらゆる手法が使える。一方、連合型プロトコルではこうしたカスタムロジックはプロトコルに組み込まれていないことが多く、チェーン型ではチェーンやハブの制約を受ける。
誰でもアプリを開発できる
Bitsocialのプロトコルとクライアントは完全にオープンソースで公開されている。誰でもコードをフォークし、改良を提案し、互換性のあるアプリを構築できる。企業の許可を求める必要はない。
独自のインターフェース、発見モデル、デフォルト設定を持つBitsocialアプリを開発可能で、互換性のあるクライアント同士で同じコミュニティやアイデンティティ、ネットワークを共有できる。アプリはプライベートデータベースにユーザーをロックするのではなく、製品の品質で競争することになる。
これがもたらす意味
Bitsocialは、分散型ソーシャルネットワークの第三の道を示している。連合型の複雑さやブロックチェーン型のコスト・中央集権リスクを回避し、純粋なP2Pと暗号鍵による所有権を組み合わせた。まだ初期プロジェクトではあるが、真のサーバーレスとユーザー主権を追求する点で、今後の発展が注目される。
よくある質問
- BitsocialとMastodonの違いは何ですか?
- Mastodonは連合型で、各インスタンスがサーバーとドメイン、SSLを必要とします。BitsocialはP2Pネットワークで、サーバーやドメインは不要。コミュニティごとに独立したIPFSスウォームで動作し、アイデンティティは秘密鍵で所有されます。
- Bitsocialはブロックチェーン技術を使っていますか?
- いいえ。BitsocialはIPFSを利用した純粋なP2Pネットワークで、オンチェーンではありません。各コミュニティはピアツーピアのスウォームで構成され、チェーンやハブに依存しません。
- 自分のコミュニティを立ち上げるには何が必要ですか?
- ラズベリーパイなどの安価なハードウェアでノードを実行できます。サーバー契約、ドメイン、SSLの管理は不要で、自宅環境からコミュニティをホストできます。コードはオープンソースで公開されています。
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