ガジェット

AMDが四半期最高売上記録、データセンターCPU需要が急成長——サーバーCPU市場2030年に1200億ドル規模へ

AMDが2026年第1四半期に過去最高売上を記録。AI需要牽引でデータセンター部門が前年比57%成長を達成し、サーバーCPU市場の長期見通しも大幅に引き上げた。

6分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

AMDが四半期最高売上記録、データセンターCPU需要が急成長——サーバーCPU市場2030年に1200億ドル規模へ
Photo by Timothy Dykes on Unsplash

AMD、2026年第1四半期に過去最高の業績を記録

AMDが2026年第1四半期(1〜3月期)の決算を発表し、売上高が過去最高を記録した。AIインフラ向けの需要急増が牽引役となり、データセンター部門が売上全体の半分以上を占めるまで成長した。

四半期売上102億5300万ドル、前年比38%増

2026年3月28日に終了した第1四半期において、AMDの売上高は102億5300万ドルに達した。前四半期(102億7000万ドル)からはわずかな減少となったが、前年同期の74億3800万ドルと比較すると38%の大幅な増加となった。

利益面ではさらに目覚ましい成長を見せた。GAAP純利益は13億8300万ドルと、前年同期の7億900万ドルからほぼ倍増。粗利益率は53%に達し、前年比3ポイント上昇した。営業利益は14億7600万ドルで、前年比83%増となっている。

データセンター部門が57%成長、売上の半分超を占める

今回の決算で最も注目すべきは、データセンター部門の躍進だ。同部門の売上高は58億ドル(前年比57%増)、営業利益は16億ドル(前年同期の9億ドルから大幅増)を記録した。

AMDのEPYCサーバー向けプロセッサの売上は前年比で50%以上増加。クラウド事業者とエンタープライズ顧客の両方で50%を超える需要拡大が確認されたという。

AIワークロードがCPU需要を構造的に押し上げ

AMDのLisa Su(リサ・スー)CEOは、「AIインフラ向けの需要加速に支えられた、卓越した第1四半期となった」と述べた。

特に注目すべきは、AIワークロードの進化がCPU需要を構造的に押し上げているという点だ。AI推論やエージェント型AI(Agentic AI)の実行には、オーケストレーション、データ移動、ヘッドノード操作、エージェントAIの実行処理などにおいて高性能CPUが不可欠となっている。つまり、AI関連の需要増はGPUやアクセラレータだけでなく、CPU市場そのものを押し上げる要因になっているのだ。

Lisa Su CEOは「推論処理とエージェント型AIが、高性能CPUとアクセラレータの需要を牽引している。供給体制を拡大して需要に応える中で、サーバー分野の成長がさらに加速すると見ている」と語った。

サーバーCPU市場の見通しを大幅引き上げ——2030年に1200億ドル規模へ

AMDは今回の決算発表と合わせ、サーバーCPU市場の長期見通しも大幅に上方修正した。

従来の予測では年平均成長率(CAGR)が約18%とされていたが、AIおよびエージェント型AIワークロードの需要拡大を受けて、2030まで年率35%以上の成長を見込むとした。市場規模は2030年に1200億ドルに達するとの試算だ。これは従来予測を大幅に上回る規模であり、AIがサーバー市場に与えるインパクトの大きさを物語っている。

AIアクセラレータ売上は前四半期比で減少

一方で、すべてのセグメントが好調だったわけではない。AMDのAIアクセラレータ(Instinctシリーズ)の売上は、前四半期比で減少したと同社は認めている。AIアクセラレータ市場ではNVIDIAが圧倒的なシェアを握っており、AMDがこの分野でさらなる成長を遂げるには供給体制の拡大と競争力の強化が課題となる。

消費者向け・ゲーム向けは第2四半期に減少見通し

AMDの決算タイトルにも示されている通り、消費者向けおよびゲーム向けの売上については、メモリやコンポーネントのコスト上昇を受けて第2四半期に減少する見通しだ。データセンター部門の急成長と消費者向けセグメントの減速という、AMDを取り巻く二面性が鮮明になりつつある。

まとめ:AMDの成長エンジンはデータセンターへ完全にシフト

今回の決算が示すのは、AMDの収益構造が根本的に変化しているという事実だ。かつてはクライアント向けプロセッサとSoCが売上の大部分を占めていたが、今やデータセンター部門が収益と利益成長の主役となっている。AI需要の高まりがAMDの成長戦略を後押しする中、供給能力をどこまで拡大できるかが今後の鍵を握りそうだ。


FAQ:

Q: AMDの2026年第1四半期の売上高はいくらか? A: AMDの2026年第1四半期の売上高は102億5300万ドルで、前年同期比38%増を記録した。GAAP純利益は13億8300万ドルとほぼ倍増し、粗利益率も53%に達した。データセンター部門が売上全体の半分以上を占める構造的な変化が鮮明になった四半期となった。

Q: AMDはなぜサーバーCPU市場の見通しを上方修正したのか? A: AI推論処理やエージェント型AIの実行において、高性能CPUへの需要が構造的に拡大しているためだ。オーケストレーションやデータ移動、ヘッドノード操作といった処理にCPUが不可欠で、GPUやアクセラレータの増設と連動してCPU需要も押し上げられている。AMDはサーバーCPU市場の年平均成長率を従来の約18%から35%以上に引き上げ、2030年の市場規模を1200億ドルと試算している。

Q: AMDのAIアクセラレータ(Instinct)の売上は好調か? A: 今回の四半期では、AIアクセラレータの売上は前四半期比で減少したとAMDは認めている。AIアクセラレータ市場ではNVIDIAが圧倒的なシェアを持っており、AMDがこの分野でさらなる成長を遂げるには、供給体制の拡大やソフトウェアエコシステムの強化が重要な課題となる。

出典: Tom's Hardware

コメント

← トップへ戻る