AOOSTAR、Intel搭載の安価なWTR Max NASを発売 11台のディスクに対応
AOOSTARがIntel Core i5-1235U搭載の低価格版WTR Max NASを559ドルで発売。最大11台のディスク搭載と豊富なポート構成が魅力のストレージデバイスだ。
AOOSTARが、自社の高性能NAS(ネットワークアタッチドストレージ)デバイス「WTR Max」に、Intel製プロセッサーを搭載した低価格モデルを新たにラインナップに加えた。従来のAMD Ryzen搭載モデルが659ドルで販売されているのに対し、新モデルは559ドルと100ドル安く、予算を抑えたいユーザー向けの選択肢として注目を集めている。
11台のディスクに対応した大容量ストレージ
WTR Maxの最大の魅力は、その圧倒的なストレージ拡張性にある。3.5インチSATAベイ6基とM.2 2280スロット5基を備え、合計11台のディスクを同時に搭載可能だ。
大容量のHDDと高速なSSDを組み合わせることで、アーカイブ用のコールドストレージと高速アクセスが必要なホットストレージを1台の筐体でまかなえる。
Intel版とAMD版の主な違い
新モデルのIntel版は、第12世代のモバイル向けプロセッサーである Core i5-1235U を採用している。
Performanceコア2基とEfficiencyコア8基による12スレッド構成で、最大動作クロックは4.4GHz。GPUにはIntel Iris Xe(80実行ユニット)を内蔵するが、NPUは搭載していない。TDPは15〜55Wの範囲で動作する。 一方、従来のAMD版は Ryzen 7 PRO 8845HS を搭載。Zen 4アーキテクチャの8コア16スレッド構成で、動作クロックは3.8GHzから5.1GHz。RDNA 3ベースのRadeon 780M GPU(12コア、最大2.7GHz)に加え、最大16TOPSの性能を持つNPUも内蔵しており、AI関連のワークロードにも対応できる。
メモリとストレージインターフェースの差異
両モデルの差はCPU性能だけにとどまらない。メモリ面では、AMD版が最大128GBのDDR5-5600 ECCメモリーに対応するのに対し、Intel版は最大96GBのDDR5-4800 Non-ECCメモリーに制限される。
データの整合性が重要なNAS用途において、ECCメモリー非対応は見逃せないポイントだ。 M.2スロットの規格にも違いがある。AMD版はPCIe 4.0対応(x2が3基、x1が2基)だが、Intel版はPCIe 3.0にとどまる(x2が3基、x1が2基)。NVMe SSDのシーケンシャル転送速度に影響が出るため、高速ストレージを最大限活用したい場合はAMD版の方が優位だ。
豊富なポート構成は共通
ネットワークインターフェースの充実度は、両モデルともに突出している。10ギガビットイーサネットポートを2基(Intel
82599チップ)
、2.5ギガビットイーサネットポートを2基(Intel i226Vチップ)備え、計4基の有線LANポートを装備。高速なホームネットワーク環境や、複数のネットワークセグメントへの同時接続が可能だ。 その他のポートも豊富で、外部GPU接続用のOCuLinkポート、USB4ポート、USB 3.2 Gen 2ポート2基、USB 3.2 Gen 1ポート、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4、3.5mmオーディオコンボジャック、microSDカードリーダーを搭載している。ただし、Wi-Fi機能は標準では搭載されていないため、無線接続が必要な場合はUSB無線アダプターを別途用意する必要がある。
冷却機構とLCDディスプレイ
筐体内の冷却には4基のファンとベーパーチャンバーヒートシンクを採用し、多数のドライブを搭載した状態でも安定した放熱性能を確保している。筐体サイズは249×245×195mmで、デスクトップ型NASとしてはコンパクトな部類に入る。 前面左下部には小型のLCDディスプレイを搭載しており、CPUやGPUの使用率、メモリ使用量、データ転送統計などをリアルタイムで表示できる。サーバールームのような専用スペースがなくても、NASの動作状態を手軽にモニタリングできる点は家庭向けとして嬉しいポイントだ。
価格と購入時の注意点
Intel版の価格は559ドル、AMD版は現在セール価格の659ドルで販売されている。ただし、いずれもメモリとストレージを含まないベアボーンキットであるため、別途DDR5
SODIMMメモリーとハードディスク、必要に応じてNVMe SSDを用意する必要がある。
ストレージデバイスの価格を含めると、実質的な導入コストは販売価格の倍以上になる可能性がある点は事前に把握しておくべきだ。
AMD版とIntel版、どちらを選ぶべきか
選択のポイントは明確だ。CPUやGPUの処理性能、ECCメモリー対応、PCIe 4.0による高速ストレージインターフェースを重視するならAMD版が適している。一方で、NASとしての基本的なストレージサーバー機能さえ満たせればよく、100ドルのコスト削減を優先したいならIntel版で十分だろう。 Intel Core i5-1235Uは数世代前のモバイルチップとはいえ、ファイル共有やメディアストリーミング、バックアップサーバーといった一般的なNAS用途には十分な性能を持ち合わせている。ただし、トランスコーディングやコンテナベースのアプリケーションを多数稼働させるなど、高いCPU負荷が想定されるケースでは、AMD版の方が余裕を持って対応できるだろう。 AOOSTARは比較的新興のNASメーカーだが、OCuLinkやUSB4といった最新インターフェースを積極的に搭載し、10ギガビットLANポートを標準装備するなど、既存の大手メーカー製品にはない独自のポジションを築きつつある。今回のIntel版追加により、より幅広い予算層にアプローチできるようになったと言える。
よくある質問
- AOOSTAR WTR MaxのIntel版とAMD版の価格差はどのくらいか?
- Intel版は559ドル、AMD版は現在659ドルで販売されており、100ドルの価格差がある。ただし、いずれもメモリとストレージは含まれないベアボーンキットであるため、実際の導入コストにはこれらのパーツ代が別途必要になる。
- ECCメモリー非対応はNASとして問題ないのか?
- ECCメモリーはデータの整合性を保つためのエラー訂正機能を備えており、長期間安定稼働が求められるNAS用途では望ましい。Intel版はNon-ECCのみの対応だが、家庭用のファイルサーバーやメディアストリーミング程度の用途であれば、実用上大きな問題にはなりにくい。ただし、ビジネスユースや重要なデータの長期保存にはAMD版の方が適している。
- Wi-Fiは内蔵していないのか?
- はい、WTR MaxはWi-Fi機能を標準搭載していない。有線LAN専用設計で、10ギガビット×2基と2.5ギガビット×2基の計4ポートを装備している。無線接続が必要な場合は、USB無線アダプターを別途接続して対応する必要がある。
コメント