ディズニー、顔認識技術で集団訴訟 来園者の同意不足を指摘
ディズニーがパーク入場時の顔認識スキャンについて来園者に十分な通知をしていないとして、集団訴訟が提起された。最低500万ドルの賠償を請求。
エンターテインメント大手のディズニーが、テーマパークでの顔認識技術の使用をめぐり集団訴訟の矢面に立たされている。2026年5月18日にカリフォルニア州で提起されたこの訴訟は、ディズニーランドおよびカリフォルニア・アドベンチャーに入場する際に来園者の顔をスキャンしていることについて、同社が適切な通知を行っていないと主張している。
訴状では、来園者を代表して最低500万ドルの賠償を求めており、ディズニーはゲストに対して顔認識データの収集について明示的な同意を得るべきだと訴えている。原告側の弁護士ブレイク・ヤグマン氏は、「ゲストは書面による同意をもって、この種のセンシティブな顔認識技術に明示的にオプトインできるべきだ。プライバシー権の責任を被害者に負わせるべきではない」と指摘する。
ディズニーは2026年4月に両パークで顔認識システムを導入した。The Hollywood Reporterによれば、ディズニーのポリシーでは取得したデータは30日以内に破棄されることになっている。しかし訴訟は、来園者が初めてチケットや年間パスを購入した際に写真とひも付けており、その後の入場時に顔データが比較されている可能性があるとして、同社の主張の正確性に疑問を呈している。
顔認識技術のプライバシー問題は近年、米国内外で法的な注目を集めている。2026年に入ってからも、テーマパークや小売店でのバイオメトリクス情報の収集を巡る訴訟が相次いでいる。本件の行方は、エンターテインメント業界における顔認識技術の許容範囲を左右する重要な判例となる可能性がある。
よくある質問
- ディズニーはなぜ顔認識技術を導入しているのですか?
- ディズニーは公式に導入理由を明らかにしていませんが、入場手続きの効率化やセキュリティ強化、チケットと顔の紐付けによる同一人物確認などが目的と推測されています。同社はパーク内の体験向上と安全確保のための技術活用を進めています。
- この訴訟の賠償額はどのように決まったのですか?
- 訴状では最低500万ドルとされていますが、これは集団訴訟の規模と、顔認識データがセンシティブなバイオメトリクス情報に該当することから、カリフォルニア州のプライバシー関連法に基づき算定されたとみられます。最終的な賠償額は裁判所の判断に委ねられます。
- 日本でも同様の訴訟は起こり得ますか?
- 日本では個人情報保護法の改正によりバイオメトリクス情報の取り扱いが厳格化されていますが、米国のような集団訴訟制度は基本的に存在しません。ただし、同意なく顔データを収集した場合、個人情報保護委員会の指導や損害賠償請求の対象となる可能性はあります。
コメント