Alibaba AI投資が実を結ぶ 投資利益322%増の決算発表
Alibabaが2026年度決算を発表。投資先のAIユニコーン企業MiniMaxやZhipuの上場により、利息・投資純利益が前年比322%増の875億元超に。クラウド事業もAI需要で成長。
Alibaba Groupは2026年5月13日、2026会計年度(2025年4月~2026年3月)の年間決算と第4四半期決算を発表した。最も注目を集めたのは、AI関連投資が本格的に収益貢献を始めた点だ。利息収入および投資純利益は前年比322%増の875億1200万元(約1兆7500億円)に達し、2022年以来の最高水準を記録した。この急増の背景には、Alibabaが初期に投資したいくつかのAIユニコーン企業の上場と、生成AIブームによる「トークン消費」の拡大がある。
投資先AI企業の上場がもたらした含み益
Alibabaが株式を保有するAIスタートアップの中で、特に収益に貢献したのはMiniMaxとZhipu AIだ。MiniMaxは2026年1月に上場し、IPO時点でAlibabaは約13.66%の株式を保有していた。Zhipu AIも同じ1月に上場し、Alibabaは約6%を保有。さらに、未上場のMoonshot AI(月之暗面)には約36%の優先株を保有しており、同社のIPO後にはさらなる含み益が見込まれている。
これらの企業は単なる投資先にとどまらず、Alibaba Cloudの主要顧客でもある。MiniMaxは2025年第1四半期にAlibaba Cloudから約5840万ドル相当のコンピューティングリソースを調達。Zhipu AIも同プラットフォームを通じて商用化を進めており、Moonshot AIもAlibaba Cloudの代表的なユーザーとして知られる。生成AIの普及に伴う大規模な推論需要が、Alibaba Cloudの収益を押し上げている。
クラウド事業が牽引、全体収益は微増
Alibabaの2026年度第4四半期(2026年1月~3月)の総収入は前年同期比3%増の2433億8000万元。一方、調整後EBITAは同84%減の51億200万元と大幅に減少した。この利益圧迫は、AIインフラへの積極投資によるものだ。
四半期の資本支出は269億元で、その大半がデータセンター拡張やAI基盤インフラに充てられた。販売費は前年比172億元増加し、即時小売事業「フラッシュバイ」の運営や自社AI「Qwen」のプロモーションに投下。AI製品および大規模言語モデルの研究開発費は189億5700万元に上る。
その中でAlibaba Cloudは好調だ。同四半期のクラウド収入は前年比38%増の416億2600万元。外部向け商用化収入の成長率は40%に達し、9四半期ぶりの高成長を記録した。調整後EBITAは前年比57%増の37億9600万元と、グループ全体を大きく上回る収益性を示している。
残る課題:ECのAI変革と即時小売競争
AlibabaはAI投資で成果を上げつつあるが、いくつかの難題も抱える。投資先のAI企業は単一クラウドベンダーへの依存を避ける傾向があり、Alibaba CloudはHuawei Cloudなどとの競争に直面。自社の消費者向けAI「Qwen」は現在、国内市場で「2位」のポジションだが、春節キャンペーン後のユーザー数減少が課題となっている。
また、2026年夏にはフラッシュバイ事業がMeituan(美団)と即時小売市場で激突する。6月から8月の実績が、この分野での優位性を左右する分水嶺と見られる。
基盤であるEC事業のAI変革も道半ばだ。淘宝や天猫に統合したQwenショッピングアシスタントやAI試着などは、消費者と事業者のニーズのバランスをどう取るかが鍵となる。
今後の投資方針:ハードウェアとエンボディドAIへ
Alibabaの最高財務責任者(CFO)は、今後2年間もAI投資を毅然と継続する方針を表明。投資の焦点は、クラウド・AIインフラの外部市場浸透、消費者向けAI市場の拡大、そしてAIハードウェアやエンボディドAI、ドローンなどのハードテック分野へと移行しつつある。
また、一部で報じられたDeepSeekへの投資については、Alibabaは関与を明確に否定。T-Head(平頭哥)とDeepSeekの接触は業務協力や製品調達の範囲にとどまり、投資とは無関係だとしている。
Alibabaが築いた「投資によるリターン」と「クラウド収益」の好循環は、同社のAI戦略が実を結び始めた証しと言える。しかし、ECや即時小売といった既存事業とのシナジーを本物にするまでには、なお時間と試行錯誤が必要だ。
よくある質問
- Alibabaの2026年度決算で、投資利益が急増した主な理由は何ですか?
- Alibabaが投資したAIユニコーン企業のMiniMaxとZhipu AIが2026年1月に上場したことによる含み益が主因です。これにより利息収入および投資純利益が前年比322%増の875億元超となりました。
- Alibaba Cloudの業績はどうでしたか?
- 2026年度第4四半期のクラウド収入は前年比38%増の416億2600万元、外部向け商用化収入は40%増加しました。調整後EBITAも57%増と好調で、AI需要が成長を牽引しています。
- AlibabaはDeepSeekに投資する計画はありますか?
- AlibabaはDeepSeekへの投資計画を明確に否定しています。T-Head(平頭哥)とDeepSeekの接点は業務協力や製品調達に限られ、投資とは無関係です。
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