NutanixとAWSが語る既存システム移行の方法、最短数週間で低コスト実現
オンプレミスの不確実性が高まる中、NutanixとAWSが提携し、既存システムを迅速かつ低コストでAWSへ移行する方法を紹介。変更不要でデータセンターごと移行可能にするソリューションの詳細を探る。
オンプレミスの課題とクラウド移行のニーズ
ここ最近、オンプレミスにおけるシステム調達の不確実性が高まっている。理由の一つには、昨年末からのメモリやSSDの価格高騰および品不足があり、予算面でも納期面でも計画的な調達が明らかに難しくなっている。また、多くの企業が採用している大手仮想化基盤ソフトウェア企業が買収されたことによる影響も小さくない。予告なく製品ライセンスや料金が大きく変更され、結果として出費の拡大や製品の将来に対する不安が増しているのだ。
こうした背景から、システム基盤やインフラ戦略において、クラウドの活用と拡大によるハイブリッドクラウドやディザスタリカバリの構築、その先にあるモダナイズやクラウドネイティブへの変革が、有力なソリューションとして注目されている。
NutanixとAWSのパートナーシップが目指すもの
ニュータニックス・ジャパン合同会社の高橋岳氏は、「お客様自身もクラウドの選択肢をとても重視されていて、オンプレミスからクラウドへ移行したいお客様は非常に多いです。一方で、すでにクラウドを使われているお客様の中にはオンプレミスのハイパーコンバージドも検討したい、というようなケースもございます」と語る。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社の河原哲也氏も、「全てのシステムを即座にクラウドネイティブ化することは期間や技術的な制約から難しいため、多くのお客様において、まずは既存の資産をそのままクラウドへ移行したいという強いニーズが存在します」と指摘する。河原氏によれば、Nutanix Cloud Clusters (NC2) on AWSのような抽象化レイヤーを実現する製品を用いることで、お客様の負担を軽減しつつインフラ環境のクラウド移行やハイブリッドクラウドが実現できるという。そしてその後、Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)のようなマネージドサービスを活用することでクラウドのメリットを享受してもらう、二段階のアプローチが有効とされる。
NC2 on AWSによる迅速かつ低コストな移行
NC2はインフラを抽象化することで、オンプレミスからAWSをはじめとする主要クラウドまで横断してアプリケーション、データ、AIなどを迅速かつ低コストで移行、運用できる。これによりハイブリッドクラウド、マルチクラウド、ディザスタリカバリを容易に構築可能にする。
オンプレミスのネットワークをクラウドまで延伸する「レイヤー2延伸」も利用でき、オンプレミスとクラウドの柔軟なネットワーク構成が実現する。AWSの仮想ネットワーク環境であるAmazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)をネイティブにそのまま利用できる点も大きな特徴で、これによりAmazon VPC内にあるAWSのサービスとの連携が容易となる מהמערכת設定やアプリケーションを変更することなく、そのままの形でAWS環境へ移行できる点が、Nutanixソリューションの大きなメリットの一つとされる。
Nutanix Moveで最短数週間の移行を実現
NC2の環境へ既存のオンプレミスやAWS以外のクラウドなどから迅速かつ容易に移行できるツールが「Nutanix Move」だ。Nutanix Moveは、VMware ESXi、Hyper-V、Amazon EC2、Microsoft Azure VMなどに対応し、システム分析を行ったうえで移行先クラウドにおけるシステム構成を作成。インスタンスのプロビジョニングやAmazon VPCなどの仮想プライベート空間の設定、移行も行ってくれる。
インフラ構成の変更やアプリケーションの書き換えなどは不要なため、最短数週間でデータセンターごと移行が可能。高橋氏によれば、グローバルでは数万VMを5週間で移行する実績があり、圧倒的なスピードと移行コストの抑制を実現しているという。
NKPでKubernetes環境をシンプルに管理
システムをクラウドネイティブに進化させていく上で、コンテナ環境の事実上の標準であるKubernetesの導入、運用の複雑さが課題となる。Nutanix Kubernetes Platform(NKP)は、旧D2iQ社の技術を統合し、そうした課題に対するソリューションとして新たに用意された。
Nutanixの町田修一氏は、「オンプレやマルチクラウドなど、複数のコンテナ環境を使い分けながら個別に管理していくのは技術的な負荷が高い。オンプレとAWSも含めて統一的な管理ができるようになるのがNKPのポイントです」と話す。NKPではクラスタのライフサイクル管理からセキュリティ、可観測性まで、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)の主要コンポーネントを検証の上でパッケージ化して提供。必要な機能がすべて揃った環境として導入が可能だ。オンプレミス上のKubernetes、NC2上のKubernetes、Amazon Elastic Kubernetes Service(Amazon EKS)まで、複数のKubernetes環境を単一の分かりやすいUIコンソールで一括管理し、運用の一貫性を保つ。
まとめ
オンプレミスの不確実性が高まる中、NutanixとAWSの提携は、既存システムを変更することなく迅速かつ低コストでクラウド移行を実現する有力な選択肢を提供する。NC2 on AWSとNutanix Moveによる移行、そしてNKPによるKubernetes管理は、企業がハイブリッドクラウド戦略を進める上で重要な役割を果たすだろう。
よくある質問
- Nutanix NC2 on AWSとは何ですか?
- Nutanix Cloud Clusters on AWSは、オンプレミス環境とAWS間でアプリケーションやデータを変更せずに移行できるソリューションです。抽象化レイヤーを活用し、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドを容易に構築できます。
- 移行にはどのくらいの期間がかかりますか?
- Nutanix Moveを使用すれば、インフラ構成の変更やアプリケーションの書き換えが不要なため、最短数週間でデータセンター全体を移行できます。グローバルでは数万VMを5週間で移行した実績があります。
- Kubernetes環境も管理できますか?
- はい、Nutanix Kubernetes Platform (NKP)を使用することで、オンプレミス上のKubernetes、NC2上のKubernetes、Amazon EKSなど複数の環境を単一のコンソールで一括管理できます。これにより運用の一貫性が保たれ、技術的な負荷を軽減できます。
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