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Disney新CEOがマーベルに大リストラ、VFXチーム解散へ

Disneyの新CEO就任に伴う大規模リストラで、中核となるマーベルスタジオのビジュアル開発チームが解散された。急激な没落の背景には、無計画な増産やVFX品質の低下が指摘される。

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Disney新CEOがマーベルに大リストラ、VFXチーム解散へ
Photo by kaleb tapp on Unsplash

Disney新体制発足、マーベルがリストラの主要対象に

ウォルト・ディズニー・カンパニーは、新たな最高経営責任者(CEO)としてジョシュ・ダマーロ氏が就任し、大規模な組織再編を発表した。その第一弾として、かつて同社の「金のなる木」と呼ばれた映画スタジオ、マーベル・スタジオ(以下、マーベル)にリストラのメスが入れられた。

ダマーロ氏は就任後、全従業員宛ての内部メモで約1000人のポスト削減を発表。その中で、マーベルのビジュアル開発チームが主要な対象となり、内部チームはほぼ全員が解雇されることになった。今後、ビジュアル開発業務はプロジェクトごとに外部の契約者を雇用するモデルへ移行するという。この決定により、10年以上にわたり蓄積されてきたキャラクターや世界観のビジュアルに関する「組織的記憶」が失われることになる。

複数の元従業員や俳優がこの決定を批判。映画『アントマン』シリーズでワスプを演じたエヴァンジェリン・リリー氏はソーシャルメディアで、「嘆かわしく恥ずべき行為だ」と非難した。

金のなる木から興行収入の毒へ:マーベルの急激な没落

マーベルの凋落は急激だった。2019年は絶頂期で、公開した『アベンジャーズ/エンドゲーム』を含む3作品すべてが世界興行収入10億ドルを突破し、総額は50億ドルを超えた。

しかし、コロナ禍以降、その号召力は明らかに低下した。2023年の『マーベルズ』は、マーベル映画史上最も低い興行収入(約2億600万ドル)に終わり、推定損失は2億7300万ドルに達した。2025年には、マーベル作品で初めて年間世界興行収入トップ10入りした作品がゼロとなるなど、かつての勢いは完全に失われた。

三重の危機:マーベル衰退の内部要因

分析によれば、マーベルの衰退には主に3つの内部要因があるとされる。

1. 無計画な増産、鶏を殺して卵を得る行為 Disney+の加入者獲得を目的に、マーベルは年間で映画4作品と配信シリーズ4作品を公開するという過密スケジュールを敷いた。シリーズと映画のストーリーが複雑に絡み合い、観客は最新作を理解するために前の作品を全て視聴する「宿題」を強いられた。この「強制的な視聴負担」が、コアではない一般観客を大量に離脱させたと指摘される。

2. 価値観の押しつけが物語を圧倒 創造のプロセスにおいて、「社会的テーマ」を先に決定し、その後に物語を構築する手法が主流になった。これにより、キャラクターの生命力や物語の面白さが損なわれた。例えば、『エターナルズ』のRotten Tomatoesスコアは47%にとどまり、『シー・ハルク』における直接的な説教的描写は観客の反感を買った。

3. VFX品質の低下とベルトコンベア式の過負荷 プロジェクトの過多、予算圧縮、スケジュール短縮が重なり、視覚効果(VFX)の品質が著しく低下した。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の不自然なCGIや、『シークレットインベージョン』のオープニングVFXは、公開当時嘲笑の的となった。

権力争いの犠牲者

マーベルの衰退は、ディズニー内部の権力構造の変化とも無関係ではない。前CEOボブ・アイガー氏は、生産過剰を前任者のボブ・チャペック氏の責任だと批判してきた。マーベル社長のケヴィン・ファイギ氏は以前、極めて高い自律権を享有していたが、連続する興行収入の失敗後、その地位は経営陣の再編の対象となった。今回のリストラと、ファイギ氏がディズニーエンターテインメント会長に報告する体制への変更は、本社がマーベルへの管理権限を再確立したことを示唆している。

未来への大博打:縮小戦略と終末の危機

マーベルはアイガー氏の要求に従い、生産規模を縮小中で、映画の年間制作数を2〜3作品、シリーズを2作品に減少させた。今後の希望は、『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』と『シークレットウォーズ』といった大型プロジェクトに託されている。

しかし、中核となるビジュアルチームの解散は、これらの複雑なプロジェクトにおけるビジュアルの一貫性に大きなリスクをもたらす。マーベルのリストラと外部契約者モデルへの移行は、ハリウッド全体がAIなどの技術を活用してクリエイティブコストを削減する大きな潮流とも一致しており、コンテンツ制作の質と持続可能性が問われている。

よくある質問

ディズニーが漫威をリストラの主要対象とした理由は?
直接のきっかけは新CEOジョシュ・ダマーロ氏就任後の組織再編ですが、背景にはマーベル作品の興行収入低迷と評価の低下があります。前任CEO時代の無計画な増産戦略が観客離れを招き、収益性が悪化したため、経営効率化の象徴としてリストラの対象になったと考えられます。
漫威のビジュアルチーム解散は今後の映画にどう影響するか?
10年以上蓄積されたキャラクターのビジュアルに関する「組織的記憶」が失われ、今後はプロジェクトごとに外部チームを組むことになります。これにより、作品間でのビジュ얼の一貫性が失われるリスクが指摘されており、特に複雑な世界観を持つ『アベンジャーズ』シリーズへの影響が懸念されています。
漫威は今後、どのように再生を目指すのか?
生産量を年間映画2〜3本、シリーズ2本程度に絞り、質の向上を図る方針です。また、『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』などの大型プロジェクトに注力し、失われた人気の回復を目指していますが、中核チームの不在という大きな課題に直面しています。
出典: 虎嗅网

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