ServiceNowの複雑な設定をAIが自動構築、Dyna Softwareが業務ユーザー向けツールを発表
ServiceNowの構築パートナーDyna Softwareが、自然言語で業務要件を直接設定に変換するAIアシスタント「Platform Copilot」を発表。開発者を介さず、業務ユーザー自身がプラットフォームを構築・変更できるとしている。
ServiceNow設定のボトルネックを解消するAI
エンタープライズ向けワークフロープラットフォーム「ServiceNow」の高度なカスタマイズには、通常、専門の開発チームを介した複雑な設定作業が伴う。この工程が、デジタル変革(DX)のスピードを阻害する大きなボトルネックとなっていた。
そんな課題に対し、ServiceNowのElite Build PartnerであるDyna Softwareが、業務ユーザー自身が自然言語を使ってServiceNowの設定や構築を行えるAIアシスタント「Platform Copilot」を発表した。同社は5月7日からラスベガスで開催されているServiceNowのカンファレンス「Knowledge 2026」でこのツールを披露した。
開発者不要、業務要件を直接設定へ変換
Platform Copilotの最大の特徴は、「インスタンス対応(instance-aware)」 designにある。これは、ツールが顧客のServiceNow開発インスタンスに直接接続し、既存のスキーマや構成の詳細を読み取って動作するという意味だ。
Dyna SoftwareのCEO、ロン・ブラウニング氏はThe Registerの取材に対し、「今日の多くのAIツールは、依然として開発者を有効化することに焦点を当てており、真の意味で業務を有効化しているわけではない」と指摘する。一般的なAIコーディングツールが環境固有のパラメータを手動で提供しない限り、汎用的な出力しかできないのに対し、Platform Copilotはそれらのパラメータを自動的に取得するという。
業務アナリストやプロセスコンサルタントが、望む動作を平文で説明したり、旧システムのフォーム画像をアップロードしたりすると、ツールはワイヤーフレームモデルを生成し、実際の環境に対して提案された変更を検証した上で、構成を構築する。ブラウニング氏によれば、このツールはServiceNow開発チームに流れ込む機能強化作業のおよそ80%を処理できるとされている。
実証済みの効率化事例
具体的な導入事例として、オーストラリアのパートナー企業が旧システムから200以上のカタログアイテムをServiceNowへ移行する必要があったケースが紹介された。従来のアプローチではほぼ1年かかる可能性があったこのプロジェクトが、Platform Copilotによって大幅に短縮されたという。
ブラウニング氏は最終的なビジョンとして、「業務担当者が『これを必要とする。こういう形がいい。これらのパラメータだ』というフォームに記入して送信するだけで、技術者をまったく介さずに、Platform Copilotによって構築が完了し、すぐに移行準備ができる」という状況を描いている。
このツールは、開発リソースのボトルネックを解消し、ServiceNowプラットフォーム上でのビジネスの俊敏性を劇的に向上させる可能性を秘めている。大規模なServiceNow展開で問題となりやすいコンフリクトや技術的負債の防止にも貢画するとして、エンタープライズ市場での注目を集めそうだ。
よくある質問
- Platform Copilotは具体的にどのような作業を自動化できるのですか?
- 業務ユーザーが自然言語で要件を記述したり、旧システムのフォーム画像をアップロードしたりすると、AIがServiceNowインスタンスの現在の構成を読み取り、ワイヤーフレームモデルの生成、変更の検証、そして実際の設定構築までを行います。ServiceNow開発チームが担う機能強化作業の約8割をカバーできるとされています。
- 従来のAIコーディングツールとの主な違いは何ですか?
- 最大の違いは「インスタンス対応」設計にあります。汎用的なAIツールが環境に依存しない汎用コードを出力するのに対し、Platform Copilotは顧客のServiceNow開発インスタンスに直接接続し、その環境固有のスキーマやパラメータを自動的に理解して出力します。これにより、構成の衝突や将来的な技術的負債のリスクを低減できます。
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