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Paramount、Netflixの合併妨害を告発

Paramountの最高法務責任者Makan Delrahim氏がNetflixをWBD合併に対する規制妨害工作で非難。Netflixは「馬鹿げている」と反論。合併の是非を巡り両社が激突。

6分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

Paramount、Netflixの合併妨害を告発
Photo by Thibault Penin on Unsplash

Paramountの最高法務責任者Makan Delrahim氏は、Netflixが同社とWarner Bros. Discovery(WBD)の合併を阻止するため、米国司法省(DOJ)や関係者に対する妨害工作を行っていると非難した。Politicoが報じた6月5日付の書簡で、Delrahim氏はNetflixの行動を「焦りに満ちた反応」であり、「規制当局や他の関係者に毒を盛ろうとする焦土戦術」と表現した。これに対しNetflixの広報担当者は「馬鹿げている(Absurd)」と一蹴している。

発端となった労働組合の懸念

この論争は、Paramountが2025年にSkydance Mediaと合併した後、同社がWBDとの統合を進める過程で表面化した。両社の統合にはDOJ反トラスト部門の承認が必要であり、ParamountはNetflixが反対意見を流布することで承認を妨害しようとしていると主張する。Delrahim氏は自身がかつて反トラスト部門のトップを務めた経験を持つ。

発端は国際運輸労働組合(Teamsters)が3月にDOJに送った書簡にある。Teamstersは130万人の組合員を擁し、合併が映画やテレビ制作の労働者を脅かすと警告。グループの発表によると、合併を阻止するか、少なくとも国内制作と雇用を保護する強力な保護措置を求めた。

雇用拡大を訴えるParamount

これに対しDelrahim氏は、合併は雇用を減少させず、むしろParamountのコンテンツ制作を拡大すると反論した。Skydanceとの合併以降、Paramountは20本の番組を購入または更新し、2025年比で劇場公開作品をほぼ倍増させる計画だという。さらにDavid Ellison CEOは、統合後は年間30本以上の長編映画をリリースし、各作品を45日以上劇場公開すると公約している。

Delrahim氏は、合併により脚本家や監督だけでなく、俳優、運転手、ロケーションスカウト、キャスティングディレクター、ケータリング業者、整備士、動物調教師など、幅広い職種に機会が生まれると主張した。「制作される映画やシリーズが増えれば、それだけ多くのコールシート、ロケ地日数、輸送、キャスティング、ケータリングの仕事が生まれる」と述べている。

財務データにみる矛盾の可能性

しかし注目すべきは、Paramountが1月にSECに提出した書類で、合併後のコンテンツ支出が10%未満減少すると記載していた点だ。ただし、その削減は「映画・テレビスタジオ」からのものではないとしている。Delrahim氏の楽観的な雇用見通しと、企業提出書類の数値の間に矛盾が存在する可能性がある。

Netflixの即座の否定

Netflixの広報担当者は本件について「この告発は馬鹿げている」と短くコメントしている。同社が具体的な反論を展開するかどうかは現時点で不明だ。ParamountとWBDの合併が実現すれば、ディズニーやNetflixに次ぐ規模のメディア複合企業が誕生する。Netflixにとっては強力な競合が出現することを意味し、同社が懸念を示すのは自然な流れとも言える。ただし、規制当局への影響工作の真偽は別問題だ。

この合併が承認されるかどうかは、DOJが競争への影響をどう評価するかにかかっている。過去にはAT&TによるTime Warner買収や、Disneyによる21st Century Fox買収など、大型メディア合併には厳しい審査が行われてきた。今回のケースでは、Paramountの主張するNetflixの行動が審査過程にどのような影響を与えるかが焦点となる。

編集部の見解

短期的には、この告発により合併審査がさらに長期化する可能性がある。DOJがNetflixの行動に関する調査に乗り出すかどうかは不透明だが、少なくとも両社の対立が審査の公正性に影を落とすことは避けられない。また、Teamstersの反対が労働問題として注目されることで、合併承認に政治的圧力が加わる可能性もある。

長期的視点では、もし合併が承認されればストリーミング市場の寡占化が一段と進む。Netflix、ディズニー、そして新生Paramount-WBDの3強体制が確立されれば、コンテンツ調達や配信コストにおける競争構造が大きく変容する。逆に合併が否認されれば、Paramountは独立戦略を強いられ、中規模メディア企業としての経営課題が浮上する。

編集部としては、Netflixのようなプラットフォーマーが競合の合併に介入する手法が、反トラスト法の運用に新たな論点を投げかけていると見る。合法的なロビイング活動と、競争を歪める不当な影響工作の線引きはどこにあるのか。特に、間接的な情報操作や世論誘導が規制当局の判断に影響を与えるケースが増えている現代において、この境界はますます曖昧になりつつあると言える。今回の事例は、その判断基準を問う試金石となる可能性がある。

参考

よくある質問

ParamountはなぜNetflixを非難しているのか
Paramountは、Netflixが同社とWBDの合併を阻止するためにDOJや労働組合など関係者に否定的な情報を流布していると主張する。Delrahim氏はこれを「焦土戦術」と表現している。
この合併で雇用は増えるのか減るのか
Paramountは合併によりコンテンツ制作が拡大し雇用が増加すると主張する一方、SEC提出書類ではコンテンツ支出が10%未満減少する可能性が示唆されている。Teamstersは雇用減少を懸念している。
Netflixはどのように反応したか
Netflixの広報担当者はParamountの告発を「馬鹿げている」と一蹴している。具体的な反論は現時点で示されていない。
出典: Ars Technica

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