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AMD RX 9070シリーズ、Linux 7.1とMesa 26.1で性能に影響なし

PhoronixがLinux 7.1カーネルとMesa 26.1ドライバでのRadeon RX 9070 GRE/XTのパフォーマンスを検証。Ubuntu 26.04標準構成からの性能向上は見られず、ドライバの成熟度が示唆された。

6分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

AMD RX 9070シリーズ、Linux 7.1とMesa 26.1で性能に影響なし
Photo by Brecht Corbeel on Unsplash

Phoronixが2026年6月4日に公開したベンチマーク結果によると、AMD Radeon RX 9070 GREおよびRX 9070 XTにおいて、開発中のLinux 7.1カーネルや最新のMesa 26.1ドライバスタックにアップグレードしても、Ubuntu 26.04 LTS標準のLinux 7.0+Mesa 26.0構成と比較して実質的なパフォーマンス差は見られなかった。

この検証は、先週行われたRadeon RX 9070 GREのローンチレビューで使用された環境に対する読者の関心を受けて実施されたもの。PhoronixのMichael Larabel氏は、RX 9070 GREとRX 9070 XTの両方で、Linux 7.1 Git、Mesa 26.1.1、そしてUbuntu 26.04標準スタックの3条件を比較した。

検証の背景と目

Ubuntu 26.04 LTSは2026年4月にリリースされたばかりで、RDNA4アーキテクチャを採用するRX 9070シリーズは標準カーネルおよびドライバで問題なく動作している。Phoronixは当初、最新カーネル・ドライバによる性能向上は限定的と判断し、ローンチレビューではUbuntu標準スタックを使用した。しかし、複数の読者から「最新版でどの程度変わるのか」という質問が寄せられたため、追加検証を実施した。

テスト結果:有意差なし

Larabel氏は「Radeon RX 9070シリーズにおいて、Linux 7.1 GitとMesa 26.1をUbuntu 26.04標準構成と比較しても、実際の違いは見られなかった」と報告している。唯一の例外として、Breaking Limitレイトレーシングベンチマークで、Mesa 26.1においてRX 9070 GREのスコア低下が観測された可能性に言及しているが、これは性能向上ではなくむしろリグレッション(性能低下)の兆候である。

全体として「パフォーマンス面でエキサイティングなことは何もない」というのが結論だ。つまり、RX 9070シリーズのLinuxユーザーは、Ubuntu 26.04標準のLinux 7.0+Mesa 26.0で十分な性能を享受でき、最新カーネルやドライバに更新する必要性は現時点ではないことを示している。

RDNA4ドライバの成熟度

この結果は、RDNA4アーキテクチャ向けのLinuxドライバ(amdgpuカーネルドライバ、MesaのRadeonSI OpenGLドライバおよびRADV Vulkanドライバ)が、すでに標準環境で十分に最適化されていることを裏付けている。一般に、新しいGPUアーキテクチャではローンチ後にカーネルやドライバのアップデートで性能が向上することが多いが、RDNA4では初期段階からドライバの完成度が高かったと言える。

Ubuntu 26.04 LTSにバンドルされているLinux 7.0カーネルは、RDNA4サポートを含めて比較的最近の安定版だ。Mesa 26.0も同様に成熟している。これに対してLinux 7.1はまだ開発段階(Git版)であり、Mesa 26.1は最新安定版だが、RDNA4向けの大幅なチューニングが含まれていない可能性が高い。

編集部の見解

短期的影響

今回の検証結果は、Linuxユーザー、特にUbuntu 26.04を使用するRX 9070シリーズの所有者にとって朗報だ。標準構成で既に最適なパフォーマンスが得られているため、カーネルやドライバのバージョンアップに追われる必要がなく、安定した環境を維持できる。また、AMDがRDNA4向けLinuxドライバの品質を早期に高めていることを示しており、NVIDIAのプロプライエタリドライバと比較して、オープンソースドライバの完成度が向上している点は評価できる。今後数ヶ月でリリースされるLinux 7.1安定版やMesa 26.2でも同様の傾向が続く可能性が高い。

長期的視点

1〜3年のスパンでは、RDNA4ドライバの成熟により、LinuxデスクトップでのAMD GPUの魅力がさらに増すと見る。特に、Steam DeckやゲーミングLinux環境でのエクスペリエンス向上に寄与するだろう。ただし、将来的な機能追加(新しいVulkan拡張やパフォーマンスチューニング)が全くないわけではない。RDNA4以降のアーキテクチャで新機能が追加された場合、ドライバ更新の重要性が再び高まる可能性もある。また、Mesaのアップデートが時としてリグレッションを引き起こす可能性があることも、今回のBreaking Limitの事例は示唆している。

編集部からの問い

今回の結果は「最新ドライバが常に最善とは限らない」というエンジニアにとっての基本原則を再確認させるものだ。読者には、自身のワークロードで実際にベンチマークを取り、更新の影響を検証する習慣をつけることを勧めたい。また、AMDのオープンソースドライバ戦略がNVIDIAのプロプライエタリドライバと比較してどのような長所短所を持つのか、特にエンタープライズやAI推論用途でのGPU活用という観点からも議論が深まることを期待する。RDNA4のドライバは現時点で完成度が高いが、将来のRDNA5以降でも同様のアプローチが取られるのか注目していきたい。

参考

よくある質問

Linux 7.1とMesa 26.1にアップデートすると、Radeon RX 9070シリーズの性能は上がりますか?
現時点の検証では、Ubuntu 26.04標準のLinux 7.0、Mesa 26.0と比較して実質的な性能向上は確認されていません。むしろ一部のベンチマークでは性能が僅かに低下する可能性も示唆されています。標準環境のままで十分なパフォーマンスが得られます。
RDNA4のLinuxドライバはすでに完成しているということですか?
はい。Ubuntu 26.04標準のドライバスタックでRX 9070シリーズは問題なく動作し、最新カーネルやMesaに更新してもメリットがないことから、RDNA4対応は初期段階から高い完成度に達していると言えます。ただし、今後の機能追加やバグ修正の余地は残っています。
将来的にLinuxカーネルやMesaのアップデートで性能が上がる可能性はありますか?
可能性は否定できませんが、RDNA4のアーキテクチャがすでに十分最適化されているため、劇的な向上は期待しにくいです。新機能(例:新しいVulkan拡張やレイトレーシング最適化)が導入される場合は別ですが、現状のコードベースでは標準スタックで最大限の性能が引き出せていると見られます。
出典: Phoronix

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